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Tリーグ

驚きの秘策でVマッチを制した日本生命がトップ名古屋を振り切る!!

日本生命レッドエルフ 3-2 トップおとめピンポンズ名古屋
9勝4敗 5勝8敗
1 平野美宇 10-11 9-11 梁夏銀
前田美優 鈴木李茄
2 森さくら 11-10 10-11 9-11 11-5 11-6 出澤杏佳
3 田志希 11-9 11-7 3-11 7-11 6-11 ハン・イン
4 平野美宇 11-5 11-6 11-10 梁夏銀
5 森さくら 11-5 ハン・イン

 

 全日本選手権大会を挟んで約1カ月ぶりのTリーグ。まずは女子からスタートし、2月は男女とも怒涛の試合ラッシュになる。

 大阪の池田市で初開催となった日本生命レッドエルフ対トップおとめピンポンズ名古屋の試合は、全日本女子シングルスで初優勝を飾った早田ひな、オリンピック代表に内定した平野美宇がベンチ入りメンバーに入っていたこともあり、大勢のメディアが集まった。

 だが、早田が急な体調不良のため急遽欠場。全日本優勝のセレモニーには登場したが、大事をとってベンチに入らずに帰宅。平野はセレモニー後もベンチに入り、ダブルスとシングルスに出場した。


セレモニーに登場した早田(上)と平野(下)

 

 第1マッチのダブルスは、平野/前田と梁夏銀/鈴木。1、2ゲームともスコアが拮抗したが、シーズンを通じて組み慣れているトップ名古屋ペアが僅差で勝利。アウェーのトップ名古屋が先制する。


第1マッチはトップ名古屋が先取点をあげる
 

 第2マッチは森と出澤。出澤は全日本で平野を下す金星をあげているが、この日の試合では再戦はならなかった。その出澤はバックの変化ブロックとフォアのカウンタースマッシュで森を翻弄し、1ゲーム目に10-5とリード。しかし、ここから開き直った森が逆転でゲームを奪うと、第2ゲームも出澤が10-6とゲームポイント。10-9まで追いつかれたがなんとか振り切ってゲームを返す。

 第3ゲームを出澤、第4ゲームを森が取り、ビクトリーマッチでは森が5連続ポイントで試合を決めた。日本生命が1点を返す。



苦しみながらも森が逆転で出澤を破る

森を追い詰めた出澤。レベルの高いTリーグでも十分戦える
 

 第3マッチは田志希とハン・イン。田志希は回転量のあるループドライブでハン・インのカットを浮かせてから強打で得点を重ねて1、2ゲーム目を連取。このまま一気に試合が決まるかと思われたが、試合巧者のハン・インは動じない。ブツ切りのフォアカットが低く収まり出すと、田志希のドライブにミスが出る。完全に見切ったハン・インが大逆転勝ちで、トップ名古屋が日本生命を追いつめる。



見ごたえのある戦いはベテランのハン・インに軍配が上がる
 

 あとがなくなった日本生命は平野が登場。目の覚めるような両ハンドドライブで梁夏銀をストレートで下した。「全日本では良い試合ができなかったので、今日のホーム戦で良いプレーをお客さんに見せることができて良かったです」と試合後の平野。


鋭い両ハンド攻撃で力の違いを見せつけた平野
 

 ビクトリーマッチには日本生命は森を起用。トップ名古屋は守護神のハン・イン。前回の対戦でハン・インに負けている森は、この試合で秘策にうって出た。両面裏ソフトの森だが、このハン・イン戦ではバック面に表ソフトを貼ったラケットでプレー。バックドライブが大きな得点源である森だが、この試合ではバックでは表ソフトでツッツキして、フォアドライブからのスマッシュでハン・インを玉砕した。


表ソフトでのツッツキでミスを減らし、得意のスマッシュで得点した森
 

 「前回の対戦でハン・イン選手の変化ツッツキをバックツッツキでうまく返すことができなかったので、その対策として表ソフトで練習していた。表ソフトのほうがツッツキの変化に引っかかりにくいしね。2番のシングルスでは両面裏ソフトで勝利し、ビクトリーマッチでは表ソフトで勝利。同じ試合で違う性質のラバーを使って戦った選手は私にはあまり記憶にない。初めてじゃないでしょうか」と試合後の村上監督。

 誰もが予想できない秘策で、日本生命が驚きの勝利を飾った。

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