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中国リポート

成都で集合訓練を行う中国。五輪2連覇の張怡寧が後輩たちを激励

6月3日に閉幕したWTTチャンピオンズ重慶2024を最後に、7月27日のパリオリンピック・卓球競技の開幕までは国際大会に出場せず、四川省成都市での集合訓練とフランスでの調整練習で大会に備える中国チーム。6月8日に北京から成都へと飛び、成都国家卓球訓練基地で集合訓練を実施している。

今回の集合訓練では、国家1軍・2軍チームの選手が「陪練(トレーナー)」として帯同する他、全国から26名のコーチや選手、分析班のスタッフを招集。選手では右シェークドライブ型の方博と閻安、左シェークドライブの周雨と程靖淇、カットの侯英超と馬特、右ペン表の厳昇など多彩なプレースタイルの選手を集めた。F.ルブラン(フランス)やチウ・ダン(ドイツ)などのペンドライブ型対策は、国家チームの薛飛や徐海東が担当するのだろう。

さらに右ペン粒攻守の把永博(男子)と代恬(女子)、右シェークでバック面に変化系表ソフトを貼る趙尚(女子)なども招集。こちらはやはり、インドの粒高対策か。

さて、前置きが長くなりましたが、集合訓練が始まったばかりの6月10日、訓練基地をひとりの「ゲスト」が訪れた。2004・2008年五輪女子シングルス2連覇の張怡寧だ。2009年に世界卓球・横浜大会で2回目の優勝を果たした後、香港の実業家・徐威氏と20歳差の「年の差婚」。一男一女をもうけ、現在は上海にある中国卓球学院で国際交流やトレーニングキャンプでの指導などを担当している。

選手時代の担当コーチだった恩師の李隼総監督、国家女子チームの馬琳監督と練習を見つめる張怡寧(中央) ●写真提供:ピンパン世界

パリオリンピック代表の孫穎莎、陳夢、王曼昱と「個人面談」を行い、ラケットを握って打ち合うなど、元気な姿を見せた張怡寧。中国の卓球雑誌『ピンパン世界』に、国家チームの選手たちに向けて語った彼女のコメントが紹介されている。

「幼い頃から私にはひとつの信念がありました。それはオリンピックで優勝することです。だからラケットを握るたび、私には常にチャンピオンを目指して戦うという信念が生まれました。どれだけ多くのタイトルを獲ったかは、あまり重要ではなかった。それよりも、すべての人の脳裏に刻まれるような選手になりたかった」(張怡寧)

現五輪女王の陳夢(左)と面談する張怡寧 ●写真提供:ピンパン世界

世界卓球3連覇の王楠にビッグゲームの決勝で何度も敗れながら、2004年アテネオリンピックでの初優勝で女王の座に就き、地元開催の歴史的な大会となった北京オリンピックで連覇を達成。オリンピックを飛躍のきっかけとした「絶対女王」の言葉は、代表選手たちの心にも強く響いたことだろう。今後も集合訓練には多くのオリンピック金メダリストが訪れ、選手たちの大会への準備をサポートするという。

中国卓球協会の劉国梁会長(右)と語り合う張怡寧。その後ろには五輪開幕までのカウントダウン、なんと秒数まで表示 ●写真提供:ピンパン世界

世界女王の孫穎莎とボールを打ち合う張怡寧。バックブロックは鉄壁でした ●写真提供:ピンパン世界

現役時代の張怡寧。オリンピック2連覇の偉業を達成した

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