
<卓球王国2024年9月号より>
数字は、雄弁に性能を物語る。感覚には誰かの主観やイメージが入り混じるが、数字は常にそこにある事実だけを教えてくれる。
この夏(2024年)、アンドロがブランドにおける最高峰ラバーとして新たにリリースする『NUZU(ニューゾーン)55』は、そんな「数字」にもとづいて誕生した1枚だ。このラバーの開発にあたり、大きな役割を果たしたのが「Spin Sight(スピンサイト)」と呼ばれる分析ツール。これは打球のスピードや回転量を数字で可視化できるようにしたもので、トップ選手による試打と「Spin Sight」で計測したデータをベースに『NUZN 55』の開発に着手。数字という明確な指標を用いて性能を研ぎ澄ましていった、まさに「新領域」のラバーとなっている。
『NUZN 55』の性能を簡単に言い表すならば、トップ選手を満足させる威力を追求した「超・本格派」。アンドロによると、カウンター性能に優れた『ラザンターC』の上位互換のようなイメージで、よりトップシートが強くなり、ボールをつかむ感覚がさらに増したという。また、従来の同タイプのラバーに比べ、耐久性も格段に向上しているとのこと。
(2024年)7月にアンドロと契約を結んだ吉山僚一(日本大)も『NUZN 55』を使用。特にチキータなど、攻撃的なプレーでの性能が好感触だと語る。
「飛ぶのに回転がかかることが一番です。トップシートが強く、回転がしっかりかかってくれる。振り切ってもちゃんと台に収まって、それでいて深いボールが打てるので、相手は取りにくいと思います」(吉山)
ただし、生半可(なまはんか)な技術で扱い切れるほど、ヤワなラバーではないことも確か。55度のハードなスポンジを使用したトップ仕様のラバーであり、性能をフルに引き出すには、テクニックもパワーも求められる。
中級者にはちょっと背伸びしたラバーかもしれないが、それでも駆(か)られる「もしも」の誘惑。『NUZN 55』の高性能を体感できた時、次のレベルへの扉が開くはずだ。
スポンジ硬度は55度。トップシートは粒が低く、表面部分が肉厚なのが特徴
●スピン系テンション裏ソフト
●¥11,000(税込) ●厚さ:MAX
●カラー:レッド・ブラック
●㈱アンドロジャパン 03・5904・9114
https://www.andro.de/ja
photo >> Yoshinori Eto
text >> Takazumi Asano
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