卓球王国 2024年11月21日 発売
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インタビュー

大竹庸介「部活が私のやりがい。生徒も楽しく 練習したりすると、抜け出せないですね」

 

「部活が私のやりがいになったし、

自分ものめり込んで、生徒も楽しく

練習したりすると、

抜け出せないですね」

埼玉県坂戸西高卓球部のみなさん

 

大竹庸介

埼玉県立坂戸西高等学校卓球部顧問

 

「進んだ大学が明治大学だったので、

さすがに恐れ多いので

卓球部には入りませんでした」

 

昨年、新型コロナ感染の拡大で休校となり、その流れでインターハイ予選、全中予選が中止となり、日本中の卓球好きの少年少女たちは失望感を胸の中に抱えていた。そういう中でも全国各地で、有志の先生たちが代替大会を開催した。

埼玉県の高体連卓球専門部の委員を務める大竹庸介も行動した先生のひとりだ。代替大会のために尽力したが、自身の坂戸西高の卓球部員には強制的な出場はさせずに、「中途半端な気持ちでは試合に臨みたくはない」という部員たちの声を尊重した。しかし、代わりに高校の卓球部で保護者も招待して7月に「3年生の引退試合」を行った。

一連のやり取りを卓球部顧問の大竹と卓球王国で行ったが、とにかく手紙やメールでも「卓球への情熱」「子どもたちへの思い」が伝わってきた。

公立校でありながら埼玉県でベスト8。熱血先生に卓球を楽しむ子どもたちの集団が、坂戸西高の卓球部だ。

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ーー大竹さんと卓球との関わり合いから聞かせてください。

大竹 兄が中学で卓球をやっていて、やりたいと思っていたけど、私自身は中学までは剣道部で、高校で卓球を始めました。幼稚園の時から剣道をやっていたので中学まではやって、高校から好きな卓球をやりたかった。いつか追いつき、追い越そうと卓球に夢中になったけど、弱小チームだったので県大会にも行けなかったですね。

 

ーー大学では?

大竹 合唱部でした。

 

ーーあれ、卓球部ではなかったんですね。

大竹 進んだ大学が明治大学だったので、さすがに恐れ多いので卓球部には入りませんでした。合唱部で青春を過ごしました。

 

ーー卒業後にすぐに高校の先生ですか?

大竹 留学していたので、大学には5年いて、卒業してすぐに教員になりまして、1年目はサッカー部の顧問だったんですが、剣道と卓球とずっとインドアだったので、アウトドアは辛かったですね(笑)。その時に卓球部の顧問の小池栄一先生から「大竹先生、一緒にやってくれないか」と言われて、卓球部の顧問になりました。今年で10年目です。

 

ーーそれは前の学校ですか?

大竹 いや、実は今の坂戸西高に11年います。

 

ーー公立校でそんなに長くいることがあるんですか?

大竹 卓球で頑張らせていただいたのと、進路指導の部長のようなポストにいるので、それでこの高校に居続けられています。校長にはずっといさせてくださいと懇願はしています。

 

ーー埼玉の高体連の役員もしていますよね?

大竹 はい、地区の役員をやっていて、次に県の高体連の卓球専門部の委員もさせてもらっています。

 

ーーコロナ禍で昨年から大会も思うようにできなくて、その中で指導する立場として、また役員としても葛藤した部分があったと思いますが、どうでしたか?

大竹 県の高体連の卓球専門部の新井(誠喜夫)先生が委員長で、リスクはあるかもしれないけど、なんとか子どもたちのために大会をやってあげたい、試合を経験させたい、高校での試合の思い出を作ってあげたいという思いで、去年の8月、11月、今年の1月、2月に大会をやりました。つくづく(卓球をする)場を作って頑張らせることが大事なんだと思いました。

 

ーー今年は埼玉の高校の大会はどうでしょう。今年も大変な状況ですけど。

大竹 4月に大会はあったのですが、いつも使っていた体育館がワクチン接種の会場になったので、急遽会場と日程を変えました。5月には関東大会の予選を終えて、6月にインターハイ予選を行う予定です。

 

ーー6月の時点で、埼玉はまん延防止等重点措置になっていますが、部活動はどうなっていますか?

大竹 県の教育委員会からは週2回の部活で、1回が90分以内と言われています。ただし、怪我も怖いので大会2週間前は弾力的に週4回、休日は1回の活動は大丈夫と言われています。かなり制限はされています。

 

ーー子どもたちの様子はどうですか? 大会や練習をやりたくてもやれない状況というのは?

大竹 生徒たちは卓球台で打つことに飢えていますね。学校でしか練習できないし、密にならないようにやっているので、思うように打てない。中には土日に卓球台のあるスポーツ施設などに行って、他校の子も誘って練習しているようです。活動の場所と時間をなんとか増やしてあげたいですね。

 

ーー子どもたちに卓球をさせてあげたいという強い思いを感じます。去年から今年にかけて、大竹さんはどういうことを考えながら子どもたちに接していたんでしょうか?

大竹 今まではたくさん練習をしたりとか、練習量を考えていたんですが、今は生徒たちの目標を明確にして、漠然とした時間を作らないようにしています。集中させて練習をするようにしています。

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