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Tリーグ

ノジマTリーグ男子セミファイナル 「心にきた」ミスを乗り越えた谷垣。VM制し金沢を初のファイナルへ導く

3月21日、女子セミファイナル後の18時より行われたノジマTリーグ 2025−2026シーズンプレーオフ男子セミファイナル。レギュラーシーズン2位の金沢ポートと同3位のT.T彩たまが激突し、勝負はビクトリーマッチ(VM)にもつれる大接戦となった。最後は“金沢のキーマン”谷垣佑真が宇田幸矢を下し、金沢が初のファイナル進出を決めた。

 

【男子セミファイナル】

金沢ポート 3−2 T.T彩たま

𠮷田雅己/林鐘勳 7、9 木造勇人/有延大夢

小林広夢 −8、−6、−9 曽根翔

田中佑汰 −12、−8、6、−10 宇田幸矢

谷垣佑真 2、−4、8、6 有延大夢

谷垣佑真 7 宇田幸矢

 

連覇を狙うT.T彩たまと、創設3季目で初のプレーオフ進出を果たした金沢。まず、第1マッチのダブルスで金沢は、レギュラーシーズンで7勝をあげてベストペア賞を受賞した𠮷田雅己/小林広夢ペアに代わり、𠮷田/林鐘勳を起用。対するTT彩たまは木造勇人/有延大夢ペアを置いた。

金沢は世界選手権、オリンピックと大舞台でダブルスでの経験豊富な林がスタートから絶好調。レシーブで主導権を握ると、𠮷田がコースを突いて生まれたチャンスを豪快なフォアドライブで仕留め、ストレート勝ちで先制点。

貴重な1点をもたらした𠮷田(手前)/林鐘勳

第2マッチはオーダー開示により、すでに起用のわかっていたTT彩たまの曽根翔に対し、金沢は曽根の愛工大名電中・高時代の同級生、小林を当てにいった。曽根が金沢の流れを断ち切るように、序盤から剛腕の両ハンドドライブを打ちまくる。小林もセンスを感じさせるブロックと鋭いカウンターで応戦するも、曽根の勢いは止まらず、彩たまが1-1のタイに持ち込んだ。

3ゲーム目は3-8から逆転し、チームに流れを引き寄せた曽根。凄まじい気迫を見せた

 

第3マッチは宇田幸矢対田中佑汰。日本代表同士の一戦は、サービスとレシーブで主導権を奪い合う展開に。1、2ゲーム目は宇田が田中のバックへのロングサービスを効果的に使ってサービスで優位に立つと、得意の回り込みフォアドライブを連発して競り合いをものにする。田中は3ゲーム目になるとサービスの立ち位置を工夫して宇田のチキータを封じると、ストレートへのフォアカウンターで宇田の足を止めてゲームを奪い返す。

4ゲーム目も一進一退の攻防が続く。どちらかのボールがわずかでもあまくなると互いに見逃さずに得点に結びつける。10−9で宇田がマッチポイントを握るが田中が追いついてジュースに。しかし、最後まで足を使って動いた宇田がフォアドライブで連続得点して12−10で田中に競り勝ち、彩たまが2-1とリード。ファイナル進出にあと1勝とした。

ハイレベルな戦いを制した宇田。チームにリードをもたらした

 

しかし、ここから金沢が反撃。第4マッチは、レギュラーシーズンでシングルス17勝と最多勝利の谷垣と同15勝でシーズン2位の有延の対戦。出足は「正直うまく行き過ぎた」と、谷垣が11-2でゲームを先行。2ゲーム目は有延も巧みな緩急でゲームを奪い返す。ゲームカウント1−1で迎えた3ゲーム目を谷垣が多彩かつパワフルなプレーで競り勝つと、4ゲーム目も有延の豪打をかわして3−1で勝利。勝負の行方はVMに委ねられた。

鋭いボールを打ち込んだ谷垣

谷垣の強烈なプレーに苦しんだ有延

両チームのサポーターの声援が鳴り響く中、始まったVM。谷垣はミドルからの多彩なサービスで宇田のチキータを緩ませ、両ハンドで狙ってスタートダッシュに成功。5−2と谷垣リードの場面でTT彩たまベンチはタイムアウトを要求。

6−4と2点差になったところで今度は金沢がタイムアウト。優位に進めながらもプレッシャーに揺れた谷垣は「リードしているのにリードされているような感覚だった」とプレーに迷いが出始め、宇田が6-6で追いつく。7−6と谷垣が1点リードを握った場面で痛恨のサービスミス。再び7-7に追いつかれる。

「普段は(ミスに対して)あまりガクッと来ないタイプだけど、チームみんなを背負っている中でのサービスミスというのは実は結構心にきた。でも我慢して、マイナスな気持ちを捨てていくぞって気持ちになった」と、谷垣が一段ギアを上げたプレーで4連続得点で勝利。金沢のベンチ、応援席は歓喜に湧いた。

プレッシャーに打ち克った谷垣。ファイナル進出の立役者となった

熱く、長い戦いを制した金沢が初のセミファイナルを制してファイナル進出を決めた。

 

●金沢・西東輝監督コメント

かつてこんな両チームの大応援団が応援合戦をして、こんなに盛り上げていただいた試合があったんだろうかと。良い雰囲気の中で試合をさせていただいて、それが各選手のモチベーション、闘志を引き出していただいて、すごいいい試合ができたんじゃないかな。衝突出ちゃったじゃないかなというプレーオフらしい試合ができたということに本当にファンの皆さんにそして運営の皆さんに感謝したいなと思います。

今回のぼくらの作戦としては、やはり谷垣がキーマンだと思っていた。「3番までに1点取れば勝てる」とみんなで話していて、1-2で谷垣に繋げようと言っていました。

(ファイナルに向けて意気込み)予定どおり張禹珍選手も来ますし、世界のスーパースター同士の対決になって Tリーグ最高峰の舞台だと思っています。一方で我々は被災地を背負っているという普通の状況ではない状況のチーム。やっぱり何か特別な力が働いてくれるのではないかということで、選手にも葉っぱをかけて、今日のような大応援団を背に木下さんになんか向かっていくというよりも、本当に倒しに行くという気持ちで勝負しにいこうと思ってます。

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