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6年ぶりに王曼昱を撃破した日本選手、大藤沙月「1月の王曼昱戦の敗戦で、スタイルを変える覚悟が決まった」

3月15日に幕を閉じたWTTチャンピオンズ重慶(中国)で、日本女子のエース・張本美和(木下グループ)が悲願の初優勝を飾った。その一方で、今大会最大の衝撃を与えたのが、準決勝で張本に敗れたもののベスト4進出を果たした大藤沙月(ミキハウス)だ。

大藤は1回戦で、過去6年4カ月もの間、日本選手に対して無敗を誇ってきた世界ランキング2位の王曼昱(ワン・マンユ/中国)を3-0のストレートで撃破。さらに準々決勝でも同7位の陳熠(チェン・イ/中国)を下すなど、センセーショナルな快進撃を見せた。絶対女王の牙城を崩し、一躍世界にその名を轟かせた大藤沙月に、激闘の舞台裏を聞いた。

ーー日本選手が王曼昱に勝ったのは6年ぶりの快挙でした。

「わあ、すごい(笑)。実は1月のWTTチャンピオンズ・ドーハ大会でも王曼昱選手と当たっていたんです。今回、日本でTリーグを戦っている時に重慶大会のドローが出て、『ああ、また王曼昱選手か……』という感じだったのですが、いざ試合になったら勝つことができました。

何より、1月の対戦で負けた後、坂本コーチから『今のプレースタイルのままだと世界ランク20位、30位に落ちる可能性がある。でも、スタイルを変えていけば20位に落ちることはあるかもしれないけどトップ5やトップ10に入る可能性があるぞ』と言われたことが大きかったです。そこで『スタイルを変えよう』と自分の中で覚悟が決まりました。

それまでは自分の中で安定力を求めようとしすぎて「ラリーをしながら攻めれたら攻めに行こう』という安定志向な気持ちになっていて、相手にも対策を練られていました。そんな時に1月の王曼昱戦でボコボコにされて、『このままでは通用しない』と痛感したんです。そこから、自分にしかできないパワフルな卓球を目指そうと思えるようになりました」

ーー安定志向を捨ててアグレッシブな卓球を取り戻した。そのきっかけが1月の敗戦だったのですね。

「そうです。考え方やプレースタイルを変えてみた結果、今の感触はすごくいいです」

大藤が王曼昱から挙げたこの一勝は、長年日本女子の前に立ちはだかってきた「王曼昱コンプレックス」を完全に払拭する契機となるだろう。これまで日本勢の行く手を阻んできた「孫穎莎・王曼昱の二枚看板」という巨大な壁。その一角を崩した大藤の勝利は、日本卓球界にとって大きな転換点となるに違いない。

王曼昱を破った大藤沙月(ミキハウス)  PHOTO WTT

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