卓球王国 2024年11月21日 発売
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石川佳純は語る。「自分がやりたいと思うところまでは卓球をやりたいし、やらせてほしい」

「五輪の選考方法」についての
石川佳純の勇気ある発言。
そして語った「卓球愛」と「ファンへの感謝」

日本のアスリートの中でも好感度の高い石川佳純(全農)は、卓球界のみならず国民の誰もが知る存在であり、中国にも多くの「佳純ファン」がいるほどの世界卓球界の宝である。
世界ランキング8位でありながら、世界選手権成都大会(団体)の代表からは漏れ、全農カップトップ32船橋大会でも2回戦で敗れ、来年の世界選手権個人戦の代表からも外れることになりそうだ。
東京五輪の直後のインタビューでは「(パリ五輪を目指すかどうかは)覚悟が必要です。自分の内側から『やりたい、やれる』という気持ちが湧いてきて、ある日、ぱちんと覚悟する瞬間が始まる」と語っていた。「その瞬間は来たのか?」と問うと、「それは難しい質問ですね。今までと違う卓球への向き合い方があると思っています」という答えが返ってきた。
もともと彼女には「パリ五輪代表の選考方法」についてのインタビューを行うつもりだったが、前回のインタビューから2年ほど経っていたので、選手としての心境の変化も聞いてみたかった。
この代表選考方法については編集部が矛盾点を指摘したり、引退した水谷隼がコメントするのと、現役の選手や指導者が語るのでは意味が違う。
現役の選手は協会や強化本部批判とも受け取られるコメントは避けたいはずだ。「批判したら遠征メンバーやナショナルチームからはずされるかも」という強迫観念が働くからだ。
今回も他にも打診した人がいるが、やはり会社やチームでの立場を考え、応じてもらえなかった。過去にフランスの代表選手が新任の監督と強化本部長が気に入らないとして、協会へ抗議して人事を変えたという事例もある。自由と自主性を重んじる国ならではのことで、調和を大事にする日本では考えられないことだ。
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●―選手の声は強化本部に届かないものですか?
石川 選手も辛いなら問題提起はするべきだと思います。一方、選手がひとりで言っても変わるものではないという気持ちもあります。なぜならオリンピックの代表を争うという意味では、大会に出場するみんなが敵なのですから。
卓球王国2023年2月号より抜粋)
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今回の五輪代表の選考方法で、誰もが一致した声をあげないのは、この選考方法で「得をする選手」「不利になる選手」が二分されるからだ。

石川は2012年ロンドン五輪の前の代表レースでは、福原愛・平野早矢香とともに、2011年世界選手権ロッテルダム大会に臨み、その大会の成績によるわずかなランキングポイントの差でシングルス代表の権利を得た。また東京五輪の前も世界ランキングによるデッドヒートとなり、代表発表1カ月前の北米オープンでの決勝での平野美宇との直接対決で決着がつくという修羅場を経験した。五輪の代表切符の重みを誰よりも知る選手として、そして五輪での戦いの厳しさやメダルを価値を知る選手として、今回の選考方法について、語るべきだと決心したのだろう。
卓球王国WEBに彼女のインタビューからの抜粋を掲載するとSNS上では、石川の勇気を讃え、賛同するコメントが集中した。あえて、発売の1週間以上前にWEBで公表したのは17日の日本卓球協会理事会に出席する理事のメンバーの目に触れてほしかったからだ。
石川のインタビュー前に昔から知り合いの理事のひとりに電話して、「五輪代表の選考方法」について聞くと、言葉を濁していた。それは対メディアということで口を閉ざしたのか、五輪の選考方法についての理解と関心がないのか、正直わからない。
五輪代表の問題は日本の卓球界の盛衰にも関連し、トップ選手の卓球人生に深く関係する。

 

「誰かに言われて卓球をやめるとか、
そういうことは全くないです」

11月に行われたパリ五輪代表の国内選考会「全農カップ トップ32船橋大会」では、敗戦後のミックスゾーンで石川は「丹羽選手が国際大会を引退したことについてどう思いますか?」と聞かれた。それは単に日本代表として長くやってきた丹羽のことを記者が聞きたかったのか、それとも選考会で負けたことで石川から「国際大会引退」という言葉を引き出したかったのかはわからない。
でも本人も卓球王国のインタビューで「国際大会は楽しい。だから世界選手権には出場したかった」と言い、今回のインタビューで将来のことを聞くとこう答えた。
「自分がやりたいと思うところまでは卓球をやりたいし、やらせてほしい。そういう気持ちです。誰かに言われて卓球をやめるとか、そういうことは全くないです」と明言している。卓球界のアイコン、「カスミン」にはもっと長く現役として卓球を続けてほしいとみんなが思っている。
また、石川は東京五輪後に「石川佳純サンクスツアー」として全国のファンに感謝を伝えるイベントを開催している。
「ありがたいことに、今は卓球をしたことのない子どもにも(私を)知ってもらっている。その部分を活用して、卓球の良さを伝えることが自分のできることです」(卓球王国より)
彼女の変わらない部分、彼女の活動や卓球への取り組みの根底に流れているものは「卓球愛」だ。卓球愛にあふれているからこそ、納得のいかない選考方法に声をあげ、もっともっと卓球をやっていきたいと語る。
そん石川佳純のインタビューは12月21日発売の卓球王国2023年2月号で紹介される。ちなみに卓球王国での卓球ウエア以外での撮影は初めてのことだった。

 

石川佳純のインタビューは卓球ファン必見だ

 

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