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東京五輪卓球

女子シングルス、日本女子は強運のドロー?!

混合ダブルス、男女団体に続いて行われた女子シングルスのドローは、オリンピックランキング1位で第1シードの陳夢(中国)を「1」、オリンピックランキング2位で第2シードの孫穎莎(中国)が「16」に入った後、まずは第3〜16シードのドローを実施。結果は上記のとおりだ。

その後、2回戦から登場する第17〜32シード、1回戦から登場する第33〜48シード、そして第49〜64シードの順にドロー。女子シングルスは70名がエントリーしているため、残る6名は第49〜64シードの選手のうち6名との予選ラウンドが組まれ、大会初日の7月24日に試合が行われる。大会最年少のザザ・ヘンド(シリア)や、女子で史上最多の7回目の出場となるオショナイケ(ナイジェリア)は予選ラウンドからの出場だ。

日本勢のドローを見ると、第3シードの伊藤美誠は、準決勝で孫穎莎と当たる組み合わせとなった。国際大会で過去0勝4敗の陳夢のブロックではなく、孫穎莎のブロックに入った。

04年アテネ五輪決勝で、柳承敏(韓国)が圧倒的に分の悪かった王皓(中国)を破って優勝したように、オリンピックという大舞台では過去の勝敗はあまり参考にならない。しかし、陳夢は7月8〜10日に中国で行われたエキシビションマッチでも、安定したバックドライブ連打を武器に、バック表ソフトの張瑞や何卓佳という選手たちには一方的なスコアで完勝している。もちろん、「誰が相手でも1戦1戦勝つだけ」というのが伊藤の心境には違いないが、まずは良いドローと言えるのではないか。

さらにバック表ソフトの打法のバリエーションが増えた感のある伊藤

日本勢の前に立ちはだかる第1シードの陳夢

その前のラウンドを見ると、伊藤は4回戦で左腕のサマラ(ルーマニア)、準々決勝では田志希(韓国)とA.ディアス(プエルトリコ)の勝者と当たる組み合わせ。サマラは3月のWTTでも好調を維持し、田志希が上がってくれば伊藤にとっては分が良いものの、最後の一本まであきらめない粘りのプレーを見せる。決して油断はできない相手だ。

第5シードの石川佳純は、第4シードの鄭怡静(チャイニーズタイペイ)と準々決勝で当たる組み合わせとなった。準々決勝の相手が陳夢か、鄭怡静かという重要なドローだったが、準決勝まで中国勢と当たらないブロックに入ることができたのは大きい。

石川が4回戦で対戦するポルカノバ(オーストリア)は、モルドバ出身の180cmのサウスポー。Tリーグの2019-2020シーズンでは、同じ木下アビエル神奈川でもプレーしている。木下アビエル神奈川の劉燕軍監督が指導した選手で、中国仕込みの速攻スタイルで時に大物を食う。しかし、地力と経験値ではやはり石川が数枚上手。12年ロンドン五輪であと一歩で逃したメダルを、その手につかんでほしい。

第4シードだった鄭怡静のブロックに入った石川。悲願のメダル獲得を狙う

ちなみに初戦となる3回戦では、順当なら伊藤がユ・フ(ポルトガル)、石川がマテロバ(チェコ)とそれほど厳しい相手ではない。もちろん、オリンピックに楽な試合などないが、伊藤と石川がふたり揃って準決勝進出、史上初の女子シングルスのメダル確定というシナリオも、現実味を帯びてきた。ふたりの初陣となる女子シングルス3回戦は7月26日(月)からスタートする。

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