東京五輪卓球競技は大会4日目。男女シングルスは昨日から3回戦がスタートし、シード選手も続々登場。その中で今回が6度目の五輪出場となるボル(ドイツ)が今大会初戦に挑み、4回戦進出を決めた。
6月には40歳にしてヨーロッパ選手権で8度目の優勝を飾り、衰えぬ実力をアピールしていたボルだが、その後のドイツ国内でのテストマッチで腰を傷めて途中棄権。その状態が心配されていたが、無事に来日し、昨日行われた男子シングルス3回戦でゲラシメンコ(カザフスタン)を相手に4-1で勝利を収めて4回戦へ駒を進めた。試合後には6度目の五輪に立った心境を語ったが、実にナイスガイなコメントを残している。
—試合を振り返って
ボル:最初は少し苦労しました。キリル(ゲラシメンコ)とはブンデスリーガで一度対戦して3-0で勝っていましたが、今日は彼も調子が良かった。試合中は楽しんでいましたが、試合が進むにつれて調子も上がっていった。より良い戦術で戦うことができ、ボールも走ってきたので、最終的にはゲームをコントロールすることができました。
—40歳で6度目の五輪に出場することについて
ボル:自分自身、まだメダルを争える立場にいることをうれしく思いますし、良い気分です。すべてのゲーム、すべてのポイントを楽しみたい。恐らく、私にとっては最後の五輪になるので、すべてを味わいながらプレーしたい。
—7度目の五輪に挑む可能性はあるのか?
ボル:それは私がプレーするのに十分な状態にある場合のみの話です。チームの中で五輪代表の権利を誰かから奪うことはしたくない。五輪代表というのは、選手の実力によって選ばれるものでなくてはなりません。
—故障もあり、アスリートとして年齢的にも厳しい時期を迎えているが、プレーする中で大事にしていることは?
ボル:すべてのアスリートは、少なからず身体的な問題を抱えながらプレーしています。故障なしに、アスリートとしてのキャリアを送ることは不可能でしょう。そのうえで、規律ある生活を送り、限界に挑むのがスポーツです。私にとって卓球は趣味や職業としてのものではなく、より愛情深いものです。だから、辞めるというのは簡単なことではないですね。
ボルの4回戦の相手は、先ほどギオニス(ギリシャ)とのフルゲームジュースの大激戦を制した鄭栄植(韓国)。試合は今日16時30分より行われる。これまで五輪シングルスでの最高成績は2004年アテネ五輪でのベスト8だが、不惑を迎えた皇帝は新たな伝説を刻めるか。
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