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東京五輪卓球

石川佳純、悔しい、悔しい敗戦。準々決勝で好調ユ・モンユに敗れる

ロンドン五輪以来の準決勝進出をかけた1戦、石川佳純はユ・モンユ(シンガポール)と対戦。これまで通算8勝7敗と五分五分の相手で、戦術の駆け引きで勝敗が決まる相手だ。しかし勝負の3ゲーム目を落としたことで、好調のユのギアがさらに上がり、流れを止められないまま1-4での敗戦となった。

1ゲーム目は石川がコース取りと緩急で11-8で奪う。2ゲーム目は逆にユにミドルをうまく突かれてから左右に振られ、5-11。ゲームカウント1-1で迎えた3ゲーム目、石川は積極的なフォアドライブやサービスエースなどで優位に立って10-8。そこから追いつかれ、11-11からサービスエースを奪い、12-11のゲームポイントを迎えた場面で、邱建新コーチがタイムアウト。絶対にこのゲームを取りたい場面だったが、そこからラリーで3本連取されて、12-14で落とす。石川も最後まで積極的にフォアを振っていったが、ユのブロックにつかまった。

リードを奪ったユは、4ゲーム目からさらに思い切りの良いプレーを見せる。石川の球質やコース取りにも慣れ、体格とパワーで優位に立つユが押す展開で、石川は台から下げられた。4ゲーム目も奪われて1-3となり後がなくなった石川。5ゲーム目も気力を振り絞って積極的に仕掛けたが、序盤からネットインやエッジなどの不運な失点もあり、ユが連続得点。勢いに乗ったユは石川のサイドを切るバックドライブを連続で決めるなどで0-10に。最後は石川のバックハンドがネットにかかって2-11。悲願のメダル獲得に全力を注いできた石川のシングルスは、ベスト8に終わった。

「なかなか得意のスピードラリーにしてもらえず、対応がうまくいかなかった。3ゲーム目にリードして落としたのが残念だった。3ゲーム目は思い切ってフォアで攻めたが、コースが悪かったり、もったいないボールが多かった。正直満足いく結果でなくて、すごく悔しい。団体戦では気持ちを切り替えて、後悔がないようにしたい」(石川)

試合後、そしてインタビューでも悔しさを隠せなかった石川。ユ・モンユに120%のパフォーマンスを見せられたが、プレーは決して悪くなかった。リオ五輪では、シングルスで痛恨の初戦敗退を喫してから、気持ちを切り替えて、団体戦では獅子奮迅の活躍を見せた石川。1日からスタートする団体戦では、素晴らしいプレーを見せてくれるだろう。

ベンチで悔しさを滲ませた石川。団体戦では前を向いて戦うだろう

戦術、メンタルともに素晴らしかったユ・モンユ

 

●女子シングルス準々決勝
ユ・モンユ(シンガポール) -8、5、12、6、2 石川佳純

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