オフチャロフ(ドイツ) 11、−9、−6、3、−4、13、7 林昀儒(チャイニーズタイペイ)
昨日の準決勝でベストパフォーマンスを見せた林昀儒とオフチャロフの3位決定戦。どちらが勝つのか戦前の予想は難しい。林昀儒はサービス、レシーブで先手を取って前陣両ハンドで攻め、対するオフチャロフはレシーブで無理をせずにラリー戦に持ち込んでパワー勝負に出るか。いずれにしても両者とも絶好調なだけにハイレベルな展開が予想された。
試合は一進一退の攻防になった。オフチャロフはフォアサービス、バックでのナックルサービス、投げ上げしゃがみ込みサービス、そして得意のアップダウンのバックサービスと、出せるサービスを要所で使い分けて林のチキータレシーブを狂わせる。
一方、林昀儒は第1バウントを落とす位置を同じにしながら、ショート、ハーフロング、ロングサービスを出し分けてオフチャロフにレシーブで強打をさせず、先手を奪っていた。
ゲームカウント2−2で迎えた5ゲーム目、オフチャロフが最初に出したサービスを審判がフォルトを取ると、そこから林昀儒が4−0と離し、このゲームを11−4で取る。流れは完全に林昀儒へ。
6ゲーム目は点差が離れずに進んでいったが、10−9で林昀儒がマッチポイントを握る。この場面でオフチャロフはレシーブをチキータで抜いてジュースとしたが、ここから3度先にポイントを奪われる苦しい展開が続く。13−13から林昀儒がチャンスボールをフォアドライブでミスし、オフチャロフが初めてゲームポイントを握り、13−15で逆転。
逆転で勢いに乗るオフチャロフ。7ゲーム目、3−3から6連続得点で9−3とする。林昀儒はそれまでのプレーがうそのようにラケットを振ることができなくなった。11−7で勝利を決めた瞬間、オフチャロフは膝から崩れて喜びを噛み締め、すぐにベンチのロスコフに駆け寄り抱擁。強靭なメンタルを見せたオフチャロフが、2012年ロンドン五輪以来、シングルスで2つ目の銅メダルを獲得した。
大舞台、とりわけ五輪という大会の経験値、そしてメンタルの差でオフチャロフが勝利をたぐり寄せた。
敗れたとはいえ、林昀儒の先進的なプレーはすばらしかった。19歳、底知れない潜在能力を持つ林昀儒は、今後どこまで強くなるのだろうか。
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