●ジュニア男子1回戦
岸本漣斗(関西高) 4、6、6 君山衛人(拓大紅陵高)
Tリーグの会場で、あるいは映像での配信で。岡山リベッツのベンチで応援に声を張り上げる彼の姿を目にした方も多いはずだ。岡山・関西高の1年生、岸本漣斗(れんと)。今では貴重になった、左シェーク・バック表ソフトの異質攻守型だ。
昨夏の札幌インターハイでは名門・関西の切り込み隊長として、4年ぶりのベスト8進出に貢献。Tリーグでは地元チームの岡山リベッツに所属し、高校1年にしてTリーガーとなった。まだTリーグでのデビューは果たしていないが、「ベンチに入らせてもらって、チームメイトの先輩たちは一つひとつの技術レベルが高い。試合の場面に応じた戦術や戦い方が素晴らしいなと思って見ています」と手応えをのぞかせる。
2000年代までは男子のトップクラスにも多かったものの、チキータの隆盛とともにその数を減らしていったバック表ソフトの異質攻守スタイル。5歳で卓球を始めた岸本は、小学3年の時にバック面を表ソフトに変え、現在もそのプレースタイルを貫く。
「もともとバックがあまり得意ではないし、前陣で戦えたほうが有利なので、バックで相手を崩してフォアで決めるスタイルが自分には合っている。お手本とする選手は異質ではないですけど、前陣でプレーする丹羽孝希選手です。
相手に先にドライブをかけられて連打されると厳しいので、いかに先にフォアに切り替えて反撃できるか。相手の予測をできるだけ外して、返球されたとしても少しでもチャンスボールが返ってくるように意識しています。だから相手にとって取りやすい裏ソフトより、少しでも変化をつけてフォアに結びつけられる表ソフトを使います」(岸本)
ちなみに使用用具は、ラケットが『張継科 SUPER ZLC』(バタフライ)、フォア面が『ディグニクス09C』(バタフライ)、バック面が『VO>101』(VICTAS)。バック面の『VO>101』は小学生時代のコーチに薦められて使い始めたそうで、「あまり使っている人はいないと思いますけど、めちゃめちゃナックルになりますね。使いこなすのは難しいけれど、すごく武器になるラバーです」と語る。
ジュニアでの目標は昨年準優勝の松島輝空と対戦する4回戦まで勝ち上がること。「今大会はそこでどういう試合ができるか、ということだと思っています」(岸本)。明日の2回戦の対戦相手は同じく高校1年の面田知己(愛工大名電高)。強豪同士の激突、好ゲームとなること間違いなしだ。
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