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大会報道

男子シングルス決勝は、35歳のレジェンド・馬龍と次代の中国を担う19歳の林詩棟との対戦に

●男子シングルス準決勝

林詩棟(中国) ‐8、12、7、10、‐7、4 向鵬(中国)

馬龍(中国) 8、7、8、10 梁靖崑(中国)

チャイナスマッシュ男子シングルス準決勝は4人全員が中国選手。意外にもWTTのグランドスマッシュ大会で中国男子がシングルスでベスト4を独占するのはこれが初めて。今大会は地元北京での開催もあり、これまでよりも出場人数が多いこともあるが、何よりモーレゴード(スウェーデン)やF.ルブラン(フランス)ら海外の強豪選手を中国の若手が倒したことが要因になっている。なお、この2人を下したのはベスト4入りした21歳の向鵬だ。

今大会で大健闘の向鵬。林詩棟との打ち合いに敗れて準決勝でストップ

その向鵬は2歳年下の林詩棟と対戦。今後の中国主力入りをアピールするためにも互いに負けられない一戦は、力対力の真っ向勝負になった。前陣から中陣、時には後陣からもフルスイングの両ハンドドライブを打ち合う迫力あるラリーは、誤解を恐れずに言えば「殴り合い」のよう。豪の向鵬に対して柔の林詩棟とフットワークとスイングに違いはあるが、どちらのボールも破壊的威力がある。皮肉にも最後は好調の向鵬が林詩棟の底力を引き出す形になり、ゲームオーバー。若手のライバル対決は林詩棟が勝ち取った。

「チャイナスマッシュで決勝に進出することができて光栄です。私にとってこれがグランドスマッシュでの初めての決勝になります。相手が誰であれ、私は試合に全力を尽くします」(林詩棟)

林詩棟は後陣からでもすさまじいバックドライブを放った

 

馬龍対梁靖崑の準決勝は、ラブオール後の1本目から馬龍が積極的に攻撃を仕掛けて、その後も近年のプレーにはないほど超攻撃的なプレーを続けた。それに対して梁靖崑はやや意表をつかれたように見え、対応に出遅れてしまう。馬龍は終始攻撃の手を緩めずに梁靖崑にプレッシャーをかけ続け、終わってみれば4‐0のストレート勝ちで、決勝に進んだ。

これほどまでに攻撃的な馬龍を見たのは久しぶり

梁靖崑は馬龍の攻撃に防戦が多くなった

「現段階で梁靖崑と対戦するにあたり、利点があるとは感じていませんでした。私が優位に立つためには、かなり積極的にプレーをしなければいけないと思っていた。それが私が準決勝のコートで実行した戦略であり、私の攻撃的なプレーは高い成功率を持っていることを判明することができました」と試合後の馬龍。

明日の決勝は35歳のレジェンド・馬龍と次代の中国を担う19歳の林詩棟との対戦になった。

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