
<卓球王国2024年9月号より>
普及型スポーツとして日本で生まれたラージボール卓球。高齢者を中心に普及しつつ、若手も参入して競技志向の方向でも発展している。
そのラージ界の用具を牽引(けんいん)してきたニッタクからは、現在9種類ものラージ用ラバーが発売されているが、その最新作にして最高峰に位置するのが『グラストリー44』だ。
ニッタクラージ用ラバーの上位モデルの位置づけを整理してみよう。ハイエンド路線の元祖でバランスタイプが『ロイヤルラージ』。そのスピン重視版が『ジュエルラージ』、スピード重視版が『ハヤテ44』。そしてバージョンアップしたバランスタイプが、昨年発売の『ロイヤルプリンス』だ。
今回発売の『グラストリー44』は、Grab victory with spin(スピンで勝利を掴(つか)む)というキャッチフレーズからGrastory(グラストリー)と名付けられた。『ロイヤルプリンス』と同格で、スピン重視版という位置づけとなっている。
実際に打つと、確かに回転がかけやすく、回転量のあるドライブが打てるのが魅力。また、ラージでは難しいと言われるツッツキもやりやすい。技術全般で回転をかけながらコントロールできる安心感がある一方で、弾みは『ロイヤルプリンス』と比較すると控えめだ。ニッタク公式動画でもコメントされているとおり、アウター素材などの弾むラケットと合わせると相性が良いだろう。
進化したラバーを次々にリリースする一方で、ニッタクは『スペシャリストスタート』というエントリーモデルも同時発売した。これは同社ラージ用ラバーの元祖シリーズの原点に立ち返った、低価格の普及用商品だ。
競技と普及、両輪でのラージボールの発展を願う、ニッタクの思いがこもった商品展開となっている。
やや小さめの粒のトップシートが回転を、スポンジがスピードを生むという設計
●ラージボール用表ソフトラバー
●¥7,700(税込) ●厚さ:MAX・特厚
●日本卓球㈱ 03・3862・0911
https://www.nittaku.com/
photo >> Yoshinori Eto
text >> Hiromoto Takabe
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