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【PICK UP】XIOM『ヴェガ ヨーロッパ ハイブリッド』/中国寄り?欧州寄り? 試さずにはいられないベストセラーの混成版

<卓球王国2024年10月号より>

中国寄り?欧州寄り?
試さずにはいられないベストセラーの混成版

 輝く緑のパッケージのラバーと言えば、『ヴェガ ハイブリッド』。XIOMが(2024年)3月に投入した『ヴェガ プロ ハイブリッド』に続き、今夏、『ヴェガ アジア ハイブリッド』、そして『ヴェガ ヨーロッパ ハイブリッド』が仲間入りを果たした。

 ドイツラバーと中国ラバーをかけ合わせた設計により、「ハイブリッド」と名付けられたこのシリーズ。「微粘着テンション裏ソフト」という、近年のトップ選手間でシェアを上げているジャンルではあるが、初・中級者に人気の『ヴェガ』の名を冠することからも、ミドルクラスをターゲットにしていることがわかる。

 特に、今回紹介する『ヴェガ ヨーロッパ ハイブリッド』は、ベストセラー『ヴェガ ヨーロッパ』のハイブリッド版ということで、期待が膨らむ。
実際に打ってみると、中国ラバー的なガチガチ感はまったくなく、ボールを包み込む感触が独特だ。近年のハイエンドラバーでは、シートの強さで回転をかけることをウリにするものが多いが、このラバーはむしろソフトなシートで包み込んで回転をかけるタイプ。表面の微粘着のせいもあり、球離れは遅く、軽打〜中打でのスピードは控えめだが、そのぶん相手コートへの収まりが良い。フルスイングしてもオーバーミスせずに、弧線弾道で台に収まってくれる安心感が、最大の武器だ。またボールを受ける側からは「回転量は十分」とのこと。

 ブンブン振りたいけどミスが多い選手、ボールを包み込む打球感を好む選手、とにかく安定したラリーで粘るスタイルの選手に向きそうだ。

 中国と欧州のハイブリッドで、その中でも欧州寄り。『ヴェガ ヨーロッパ ハイブリッド』の立ち位置は、やや複雑だ。しかし従来のドイツラバーとも中国ラバーとも異なる、ボールをつかんでスピンをかける感触が特徴であり、これは卓球の技術習得において重要な感覚だ。初・中級者の新たな選択となる一枚だろう。

トップシートは、シリーズ中で比較するとベース部がかなり肉薄で、粒間隔も広め

XIOM
ヴェガ ヨーロッパ ハイブリッド

●微粘着テンション系裏ソフトラバー
●¥6,050(税込)
●厚さ:MAX・2.0・1.8㎜ ●スポンジ硬度:45.0度
●㈱卓永 03・6206・0995
https://xiom.jp/

photo >> Yoshinori Eto
text >> Hiromoto Takabe