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東京五輪卓球

手に汗握る激闘は樊振東に軍配。林昀儒の積極性に最後まで屈せず

 明日の決勝進出をかけた男子準決勝1試合目は1時間半近い大接戦の末、樊振東(中国)に軍配。林昀儒(チャイニーズタイペイ)をフルゲームで振り切って決勝へと駒を進めた。

 

●男子シングルス準決勝

樊振東(中国) -6、9、12、-13、9、-9、8 林昀儒(チャイニーズタイペイ)

 

 先手を奪ったのは林昀儒。1ゲーム目のスタートからチキータで得点し、その後もサービスから3球目で得点するなど4-0とリード。その後もロングサービスを有効に使い、レシーブではチキータで積極的に仕掛けて林昀儒が1ゲームを先行する。初の五輪、決勝進出がかかる舞台でも林昀儒のペースは変わらず。飄々としながら大胆なプレーで得点を重ねていく。

 2、3ゲーム目は樊振東が下回転サービスとストップをうまく使ってミスを誘って序盤でリードし、終盤に林昀儒が追い上げる展開になるも、我慢のプレーで樊振東が連取。逆転を許した林昀儒だが、4ゲーム目もロングサービスとチキータからのカウンターで積極的に得点を狙う姿勢は変わらず、ジュースの末にゲームカウントをタイに戻した。

 5ゲーム目は終盤まで点差が離れないまま進み、10-9で樊振東がゲームポイント。林昀儒が迷ってあまくなったストップを見逃さず、フォアドライブで得点し、樊振東が勝利に王手。6ゲーム目は打ち合いでの得点も増えてきた樊振東が9-5とリードを広げたが、臆せずチキータとカウンターを打ち続けた林昀儒が6本連取で奪取し、いよいよ最終ゲームに突入する。

 勝負の最終ゲームも林昀儒がチキータで連続得点したが、樊振東もカウンターをさらに厳しいカウンターで狙い打つなど応戦。ツッツキなどの小技もうまく駆使して樊振東が10-6とマッチポイントを握る。ここから林昀儒に2点を奪われたが、最後はフォアストレートへのカウンターで鮮やかなノータッチを奪った樊振東が逃げ切り、手に汗握る激闘に終止符を打った。

 試合全体を通して、先手を取っていたのは林昀儒。チキータにカウンター、ロングサービスを多用し、積極的に攻め込んでいた。一方の樊振東は台上ではストップやツッツキ、サービスもほとんどが縦回転のショートサービス。派手さはないが、精度の高い小技であまい返球を誘い、打たれてもしのいでしのいで、チャンスボールを確実に仕留めていった。林昀儒に打ち込まれても、どっしりと構えて最後まで倒れなかったその姿は弁慶のようであった。

林昀儒の攻めを受けて、受けて、最後に跳ね返した樊振東

 敗れた林昀儒も見事な戦いぶり。最後まで臆せず自分のプレーを貫いた姿勢は大いに賞賛すべきだろう。

最後まで積極性を失わなかった林昀儒。銅メダル決定戦に挑む

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