卓球王国 2024年11月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
全日本選手権2021

松島輝空の「負けない」強さ。「力がなくてもカットに勝てる」

●ジュニア男子5回戦
松島輝空(JOCエリートアカデミー) −5、9、8、7 原田春輝(希望が丘高)

松島輝空、1ゲームを先取されながらもカットの原田を3−1で下し、準々決勝進出!
1ゲーム目、フォア強打のオーバーミスが多く、大きくリードを許して5−11で落とした松島。2ゲーム目もリードを許し、「さすがに高校生のカットマン相手に、13歳が勝つのは難しいか」と感じたが、そこから松島はカットの回転を見極め、丁寧にループドライブでつなぐ。一撃で打ち抜くボールはないが、対カットのミスはほとんど出ない。

丁寧に原田のカットを打ち続けた松島

ジュニアでは期待のチョッパー・原田。松島の粘りに屈した

「ワンコースだけ打ってしまうと、カットマンには粘られるし、切れて返ってくる。カットマンと練習する時はコースの打ち分けを意識している」と試合後に語った松島。「カットマンとはあまり練習することがないし、苦手意識はある」というが、原田のフォアとミドルを中心に細かいコース変更でミスを誘い、原田の攻撃もバックブロックで落ち着いて返球。原田もカーブロングやフォアドライブで得点したが、松島のプレーはカットマン以上に粘り強かった。「カットマンは力がないと勝てないわけではない。力よりもコースを意識していました」(松島)。

勝ち切るというよりも「負けない」。まるでチェスのようにボールを動かして、ジワジワと相手を追い詰めていくプレーは、やはり13歳のそれではない。水谷隼に通じるゲームの達人の才か。明日、昨年あと一歩で逃したジュニアの頂点に挑戦する。

「1ゲーム目は5点でやられたと思うんですけど、このままじゃ勝てないなと思って、打ちミスが多かったので焦らずにゆっくりいこうという気持ちでやりました。原田さんとはこれまで3試合くらいやって勝ったことがない。緊張はしたんですけど、自分より格上の選手なので、向かっていくしかなかった。良いプレーができて良かったです。
ジュニアの準々決勝は篠塚選手と当たるけど、まだ本戦で勝ったことがない選手なので、気持ちをしっかりして向かっていく気持ちで頑張っていきたい。一般では大人の選手とやれるので、ランクに入れるように頑張りたいです」(松島)

●ジュニア男子5回戦・その他の結果
星優真(東山高) 8、4、−10、5 芳賀世蓮(鶴岡東高)
岡野俊介(愛工大名電高) 6、7、10 葛西啓功(静岡学園高)
高橋航太郎(実践学園高) −12、4、10、9 萩原啓至(愛工大名電中)
鈴木颯(愛工大名電高) 6、−10、−9、6、6 鈴木笙(静岡学園高)
谷垣佑真(愛工大名電高) 8、9、−9、9 三浦裕大(遊学館高)
濱田一輝(愛工大名電高) 8、6、4 加山雅基(愛工大名電中)
篠塚大登(愛工大名電高) 8、−8、7、−10、7 中村煌和(愛工大名電中)

ジュニア男子5回戦は、愛工大名電勢が5人ランクに入り、強さを見せつけている。優勝候補の篠塚は同じ左腕の中村との同士討ちに苦戦したが、最後は振り切った。東山の星、実践学園の高橋は伝統校からうれしいランク入りだ。

昨日、前回王者の吉山を破った星が一気にランク入り

愛工大名電高の鈴木颯、鈴木笙(静岡学園高)とのゲームオールの接戦を制す

関連する記事