昨年の全日本では準決勝で早田ひなに敗れ、シングルス3連覇は成らなかった伊藤美誠。しかし、11月に再開された中国での国際大会、女子ワールドカップとITTFファイナルではともに3位入賞。改めて中国の最大のライバルとして、存在感を見せつけた。
早田に続き、明日のシングルス初戦(4回戦)を前に臨んだ会見で、試合前の気持ちを尋ねられ、「すごく楽しみで、楽しみしかない。早く試合をしたい気持ちでワクワクが止まりません。練習をたくさんしてきて自信もあるし、実力を出し切りたい」と答えた伊藤。マスク越しにも伝わる、リラックスした表情でのコメント。全日本の魔物も紐につないで、笑顔で一緒に散歩してしまいそうだ。以下は記者との一問一答。
―強化してきた部分とは?
「中国選手にラリー力で負けてしまった部分もあります。ラリーでの強さを意識してきたので、力を出し切りたい。練習をやり込んできて、大きなケガなくここまで来られたことは周りの人に感謝したい」
―早田さんと当たったらどのように戦うか?
「トレセンでの合宿で練習する機会もあり、早田さんの強さを感じています。体の強さが飛び抜けている選手。体の使い方を彼女のようにできたらいいなと思っていますが、私自身はできることをやるしかない。彼女と試合がしたいし、彼女とできるところまで1戦1戦頑張りたい」
―この状況で全日本をやることの意味は?
「今回の全日本は1週間前まで開催できるかどうかわからない状況だったけど、私は開催されると信じていました。試合ができることは私もうれしいし、他の選手も力を出し切る場所、試合ができる場所をいただいたことに感謝していると思う。ダブルスはできないけど、シングルスでも試合をできることが楽しい。目標は優勝ですけど、目の前の一戦一戦に集中してやりたい」
―女子ダブルス、混合ダブルスでは4連覇がかかっていましたが?
「ダブルスがあったからこそ、楽しんで、それがシングルスに生かされると思っていましたが、しかたがないことだから気持ちを切り替えています。シングルスに集中するし、いずれダブルスができるようになるまで技術を高めていきたい」
―この全日本の位置づけは?
「ワールドツアーはないですけど、オリンピック前の今年のスタートだと思っています。去年はオリンピックシーズンだったけれど優勝できなかった。『今年は優勝してオリンピックに臨んでいけ』と言われている気がします。優勝して、よい状態で次に進みたい。楽しんで勝ちに行きます」
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