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【PICK UP】ヤサカ『ファルクカーボン』/ 絶妙なバランス、そして「粘り腰」。 もっと早く出合いたかった!

<卓球王国2025年5月号より>

絶妙なバランス、そして「粘り腰」。
もっと早く出合いたかった!

 

 2019年世界選手権でシングルス準優勝。その2年後にクリスチャン・カールソンとの名コンビで、世界ダブルス王者に輝いたスウェーデンの英雄、マティアス・ファルク。

 プレースタイルはフォア表ソフトのシェーク異質攻撃型。最近のスウェーデン勢はモーレゴードやシェルベリがブイブイ言わせているが、希少なスタイルで世界のファイナリストになったのは快挙と言えるだろう。

 ファルクは長くヤサカの『馬林ソフトカーボン』を使用していたが、19年世界選手権で使用したのは自ら開発に携わった特注ラケット。そのラケットは翌年、『ファルクカーボン』として海外でリリースされた。日本ではなかなか発売されなかったのだが、この3月、満を持しての日本上陸となった。

 フォア面の表ソフトでミート系、バック面の裏ソフトで回転系とふたつの打法を使い分けるファルクは、ラケットに高い次元のバランスを求めた。板厚5・9㎜と薄めのインナーの合板構成で、グッとボールをつかみながらも弾む「粘り腰」が特徴。ボールをついてみると「カンカン」と心地良い音を奏でながら、しなやかにボールを受け止める。ファルク自身も「スピードとコントロールを兼ね備えた、私にとっては最適なブレード」と語っている。

 ヤサカの矢尾板駿さんも「表ソフトのコントロールを失わないよう、反発力を高めながらも安定性とのバランスが良い。異質のみならず、攻撃型なら幅広いレベルに対応するラケットです」とコメント。これでも少し弾みすぎるという選手は、同時に発売された7枚合板の『ファルクW7』を試してみると良いだろう。

 スピードとコントロールのバランスは、ラケットという用具に課せられた永遠の課題。そして近年はラバーが高性能化し、ラケットには弾みよりもバランスの良さが求められている。

 日本国内では「遅れてきた大型新人」だが、『ファルクカーボン』の性能はまさに時代の先端を行く。使う選手を選ばないが、やはり表ソフトユーザーなら一度は試してもらいたい。

 

中芯のすぐ外側にPAカーボンを配したインナーの合板構成。弾きと球持ちの良さを両立している

ヤサカ
ファルクカーボン

●攻撃用シェークラケット
●¥19,800(税込) ●木材5枚+PAカーボン2枚
●グリップ:FL・ST
●板厚:5.9㎜ ●平均重量:87g
㈱ヤサカ 03・3634・5158
https://www.yasakajp.com

 

photo >> Yoshinori Eto
text >> Taro Yanagisawa

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