9月20日から28日まで、愛知県豊田市のスカイホール豊田で開催されるアジア競技大会の卓球競技。大会に向けて味の素ナショナルトレーニングセンターで合宿を行っていた日本女子の公開練習の様子と、中澤鋭監督、そして代表5選手のコメントを紹介する。
なお、アジア競技大会での日本女子の出場種目は下記のとおり。
●女子団体(張本美和、早田ひな、伊藤美誠、長﨑美柚、面手凛)
●女子シングルス(張本美和、早田ひな)
●女子ダブルス(張本美和/早田ひな、長﨑美柚/面手凛)
●混合ダブルス(張本美和/松島輝空、伊藤美誠/篠塚大登)
中澤監督のコメント
「団体戦のメンバーについては、難しいことではないですね。やはり、それぞれの選手が特徴を持っているので、対戦相手に合わせて、うまく組み立てたいと考えています。軸になるのは張本美和選手と早田ひな選手ですが、誰を3人目にするかということも含めて、それぞれの特徴を見ながら考えていきたいと思います。
張本選手は、WTTチャンピオンズ マカオで優勝して帰ってきたばかりですが、今は上位の中国選手にも、ほとんど勝つ確率が高くなっています。もちろん相手によって違いはありますけど、試合の内容を見ても、相手に対してかなり有利な場面が多くなっています。そういうところは、今回のアジア競技大会でもさらに期待できるんじゃないかなと思います。
張本選手のどこで成長しているかというと、技術面から言えば全てですね。全体的なバランスが一番良いと思います。特に弱点がそんなにない。これまでの日本選手には、それぞれ特徴があると思いますけど、張本選手の場合は「ここを特にやられる」という部分がないんですよね。弱点がないというか、そういう意味でも、全体的なバランスが非常に良くなっていると思います。
早田選手と張本選手のダブルスについても、やはりプレースタイルの相性が良いと思います。張本選手は攻撃力ももちろん高いですけど、守備力も高い。そこが大きいですね。攻守で早田選手をフォローできる。そういう部分が、一番大きいんじゃないかなと思います。さらに、早田選手はフットワーク能力も高いので、そういうところも含めて相性がいいと思います。
(張本選手が世界卓球ロンドン大会決勝後に孫穎莎選手に対して恐怖心があるという話もしていたという記者からの質問に対して)私が普段の練習を見る限りでは、多分、ほとんどないと思います。恐怖心というより、やはり競争心があるんじゃないでしょうか。ああいう形で負けたことが、逆にいい刺激になったと思います。
実際、練習の中では、孫穎莎選手に勝つためにはどれぐらいやらないといけないのかという目安が、もうついていると思います。孫穎莎選手に勝つということがどういうことなのか、彼女自身が一番良くわかっている。もちろん、今回絶対に勝てるとは言えませんけど、それでも毎回毎回、勝利につなげるプレーは多くなっていくと思います」(中澤監督)
張本美和(木下グループ)のコメント
「マカオから帰国して1日休んで、昨日から練習を始めました。まだたくさん練習できているわけではないので、今は何かを強化するというより、アジア競技大会に向けて調子を維持するような練習をしています。とにかく体を動かして、試合までに良い状態に持っていけるように過ごしたいです。
今回は4種目に出場させていただくので、まずは4種目全てでメダルを取れるようにすることが目標です。もちろん、出るからには全部の種目で金メダルを目指して頑張りたいです。そのためにも、4種目を戦い抜けるようにしっかり調整していきたいと思います。
WTTなど試合が続いていて、しっかりトレーニングができていない部分もあるので、セルフでストレッチをするなど、ケアもしっかりやっていかないといけないと思っています。まだ大きなケガがない分、余計に予防をしていかないといけない。特に4種目なのでハードスケジュールになるかもしれませんが、毎試合、痛いところや疲れを残さずにプレーできるようにしたいです。
アジア競技大会は、WTTとは全然違う大会だと思います。アジアの強い選手たちが集まる中での成績は、本当に意味のあるものになりますし、4年に1度ということもあって、オリンピックのアジア版という感じだと思います。そこで結果を出すことは、WTTとは全く違った意味のあることだと思っています。
まだ昨日から練習を始めたばかりですが、テレビなどで大会が始まっているのを見て、少しずつ実感も出てきました。自分も大会を盛り上げられる選手になれたらいいなと思うので、頑張ります」(張本美和)
早田ひな(日本生命)のコメント
「コンディションとしては、ほぼ万全の状態で試合に臨めるかなと思っています。マカオでは本当にギリギリというぐらいの状態で、試合も最近の中ではトップ級にきつかったんですけど、今は日本で合宿に入ってトレーニングもしっかりできたので、すごく元気になりました。練習して、やっと疲労も抜けてきて、心と体の余裕や元気度も上がってきたので、状態としてはいつもの状態に戻ってきたなという感じです。
今回のアジア競技大会は、メンバーも世界選手権やほかの大会とは少し違います。伊藤選手と久々に団体戦に出れたり、張選手とはWTTでは何度もダブルスを組ませてもらっていますが、大きな大会での個人戦は初めてかなと思います。大きな大会になると、お互いに感じる緊張感だったり、試合にかける思いだったりも変わってくるので、そういったところで自分自身がどんな状況にも染まれるように準備していきたいです。
アジア競技大会だからといって、張り詰めすぎるのもよくないと思っています。勝負の世界なので、やってきたからといって、それをそのまま試合で出せるわけではありません。だからこそ、あまり考えすぎず、ラフに考えて試合に臨めたらいいなと思います。
日本開催なので、ご飯などの部分で不安や準備がそれほど必要ないのも良かったです。試合だけに全力で臨めるように、しっかり準備していきたいです」(早田ひな)
伊藤美誠(スターツ)のコメント
「日本開催ということで、自分はやっぱりアジア競技大会に出場したいなと思いました。海外開催だったら出ていなかったかもしれないし、また違う考えがあったかもしれないですけど、日本、しかも愛知というところで、「これは出るしかないでしょ」という感じでした。
これまでアジア競技大会に出なかったのは、オリンピック前だったり、大きな大会の前だったりすると、海外ツアーのほうが優先になることがあったからです。アジア競技大会はポイントも少ないので、出たところで疲れてしまったり、ケガをしてしまったら、その後の大会に響いてしまう。今回は特に失うものもないですし、決まった大会もない。そして日本開催ということで、出場させてもらっています。
今回は団体戦と混合ダブルス(篠塚大登とのペア)がありますが、結構タフなスケジュールになります。同じ日に3試合あったり、種目がバラバラに入ったりするので、みんなで話し合いながら進めていくのが一番いいと思っています。団体戦は誰が出るかも含めて監督と相談しながら、みんながケガなく、しっかり力を出し切れることが大事です。
久々にダブルスを組めることも、アジア競技大会に出れて良かったと思うところです。ダブルスはめっちゃ楽しいですね。話し合いながらプレーすることで、すごく生き生きした感じがありますし、組んだ相手の打球を「うわ、すごい!」みたいに第三者目線で見られるのもダブルスの面白さだと思います」(伊藤美誠)
長﨑美柚(木下グループ)のコメント
「状態的にはすごく良い状態で、準備ができているなという現状です。今回は日本開催なので、今年1月の全日本選手権ダブルスの時に行った会場が、どういうふうに国際大会、アジア競技大会の会場になるのか、すごく楽しみな気持ちがあります。
アジア競技大会は、全競技の選手にとってオリンピックの次となる、すごく大きな大会だと思っています。卓球だけで考えると、ポイント的にはWTTの大会より低いですし、私は女子ダブルス(面手凛とのペア)と団体戦の出場でシングルスには出ないので、世界ランキングのポイントが加算されないこともわかっていました。それでも、日本でこういう大きな大会ができる機会、チャンスを無駄にしたくないと思いました。ポイントではなく、経験のために、そして世界選手権やオリンピックという大きな大会のために、こういう大会を経験したいという思いで出場を決めました。
今回は選手と監督しか練習会場に入れないので、選手5人でいかに協力できるかがすごく大事になります。試合に出るだけでなく、練習相手になったり、ボール拾いをしたり、出る選手をサポートしたり、直接的に動く部分も多い大会です。私は5人の中で真ん中の年齢なので、前回大会で経験させてもらったことも生かしたいです。初めて出る選手にも、緊張しないで楽しんでもらえるように心がけたいです。
今回のメンバーは明るい選手が多いので、お互いに協力し合いながら、すごく明るいチームを築けるんじゃないかなと思っています」(長﨑美柚)
面手凛(日本生命)のコメント
「初めてのアジア競技大会なので、すごく楽しみな気持ちがありますし、出場できることへのうれしさもあります。一方で、不安な部分もあります。自分にとってアジア競技大会は、すごく夢の舞台というか、遠い存在だったので。
4月に世界選手権を経験させていただきましたが、こういう大舞台を経験する機会はあまりなかったので、そこは不安ですし、緊張もあります。でも、先輩たちが声をかけてくださったり、張本選手は年が近いので、すごく仲良く話してくださったりして、そういうところですごく気が楽になれたかなと思います。
女子ダブルスは長﨑選手と組ませていただくので、昨日一緒に練習しました。すごくコミュニケーションを取ってくださるので、ダブルスの面で学ぶこともありますし、これから試合に向けてしっかりやっていきたいです。
団体戦では、出場するかどうかはまだわかりませんが、出ない時は精いっぱいチームのためにサポートしたいです。自分はとにかくチームのために、いろいろできたらいいなと思っています。目標は、出場する種目でメダルを獲得すること。日本でアジア競技大会を開催できることはすごく幸せなことですし、いつも以上に多くの方に応援していただけることが、すごくうれしいです」(面手凛)
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