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インターハイ2023

ヨンテン無双! 圧巻の完勝劇で四天王寺が10連覇の偉業を達成

 3年連続で四天王寺と明徳義塾の顔合わせとなった女子学校対抗決勝は四天王寺が1ゲームも与えない圧巻の試合運びで完勝。自身の持つ最長記録を更新する10連覇を達成した。

 

●女子学校対抗決勝

〈四天王寺(大阪) 3-0 明徳義塾(高知)〉

○兼吉 7、7、8 上田

○青木 10、9、8 中本

○藤田/伊藤詩 3、8、2 水野/渡邉

 

 1番はカットの兼吉と明徳義塾のエース・上田の対戦。両面に表ソフトを貼り、ラケットを反転しながらカットを繰り出す兼吉に対して上田はツッツキを多用して挑むも、カットの変化にミスを連発。準決勝の進徳女子戦ではしつこくツッツキで粘る戦術でカットの福井を下した上田だが、この試合では終始、兼吉がリードして試合を進めて完勝を収めた。

最後までカットの変化で上田を翻弄した兼吉

ツッツキのミスが続いた上田

 

 四天王寺は2番にここまでエース級の活躍を見せている1年生の青木を起用。1ゲーム目、躍動感のある青木の連打に中本が食らいつき、10-9でマッチポイント。ゲームを先行して試合を進めたい明徳義塾はこの場面でタイムアウトを取るも、青木がしのいで1ゲーム目を奪う。2、3ゲーム目も同様のラリー展開で試合が進み、中本がリードを奪うも、青木がじわじわと追い上げて結局3ゲームを連取。頼れるルーキーが優勝にあとひとつに迫るストレート勝利をあげた。

リードされても動じず、堂々のプレーを見せた青木。殊勲賞に輝いた

中本は好ラリーを展開するもゲームを奪えず

 

 3番のダブルス、明徳義塾は準決勝まで起用した上田/水野からペアを変更。エースの上田に変えて、今大会、重圧のかかる場面で殊勲の勝利を重ねて決勝進出に大きく貢献している渡邉を起用した。

 しかし、見事な連携を見せる四天王寺ペアは崩れず。サービス・レシーブで主導権を握り、1ゲーム目を3点で奪うと、2ゲーム目も追い上げられながら連取。3ゲーム目は優勝に向けてアクセルをさらに一段踏み込んだようなプレーで連続得点をあげて一気にスパート。最後は伊藤詩が飛びつきながらフォアストレートを打ち抜いて勝負を決めた。

決勝で起用された水野/渡邉だが、一気に押し切られた

主導権をがっちり握って試合を進めた藤田/伊藤詩

 

 10連覇の偉業を達成した四天王寺だが、今大会は選抜決勝を戦ったリベルテと大阪府予選で5番フルゲームまでもつれる激闘を制して学校対抗出場権を獲得した。そうして迎えたインターハイでは2回戦から決勝まで5試合を戦い無失点で完全優勝。さらに計15マッチで落としたゲームはわずかに3と驚異的な強さを見せて頂点に立った。

 「今大会もそうですけど、予選から厳しい戦いだったので10連覇を達成できてホッとしています。去年のインターハイが終わってから選手たちは大嶋(雅盛)総監督、四天王寺、ミキハウスと本当にたくさんの方にお世話になってきたので、感謝の気持ちを込めて戦おうと話してきました。準決勝の愛み大瑞穂さんはマークしていました。明徳義塾さんとは3年連続の対戦でしたが、やっぱり伝統校なので、気を引き締めて戦おうと選手には声をかけました。

 (10連覇ということについて)いやー、10年ですもんね。それは今の選手たちだけじゃなく、いろいろな方に支えてもらって、みんなの力で達成できた10連覇。誰か1人だけの力じゃないですし、みんなの力があっての10連覇だと思います」(四天王寺・村田監督)

10連覇を決めて両手で「10」

 

 一方、3年連続準優勝に終わった明徳義塾だが、昨年、一昨年のレギュラーが卒業し、メンバーが一新した中での決勝進出は見事というほかない。鳥取敬愛との2回戦は3-1、白子との3回戦は3-2、横浜隼人との準々決勝は3-1、進徳女子との準決勝は3-2と接戦の連続を勝ち抜いた。

 シングルスでベスト32以上に勝ち上がった選手は1人もおらず、ダブルスも上田/水野の3回戦が最高成績。それでも伝統のチーム力を抜群の勝負強さで決勝に勝ち上がり、「これぞ明徳」という戦いぶりを今夏も見せてくれた。

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