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【PICK UP】これぞ表ソフト、これぞ『スペクトル』。名作のDNAは、横文字になっても健在だ

1972年に発売された、表ソフトラバーの代名詞『スペクトル』。TSPとVICTASのブランド統合により、3枚の『SPECTOL』シリーズとして新たに生まれ変わった。

従来の『スペクトル』と同じ設計の『S1』と、テンション技術を駆使した『S2』と『S3』。『S2』の粒形状は『S1』と同じだが、『S3』は『台型+円柱』の粒形状の中で、ボールに接触する円柱部分の直径を0・1㎜小さくした。

「最近はラバーの製造技術が上がり、テンションをかけると相手にとってのやりにくさ、表ソフトらしさが弱まってしまう。『S3』は粒の直径をわずかに小さくして、スポンジも少し変えています。より変化重視の設計にすることも考えましたが、『スペクトル』らしいバランスの良さは大事にしたかった」(VICTAS開発室・仲村錦治郎さん)

『スペクトル』にテンション技術を駆使したラバーとしては『スペクトル ブルー』と『スペクトル レッド』(ともに廃番)も発売されていたが、こちらはやや重く硬いスポンジ。『S3』のスポンジは従来の『スペクトル』のスポンジを進化させたものだ。

筆者はシェークの両面裏ソフトだが、バック面に表ソフトを使ったこともある。『S3』もバック面に貼って打ってみたところ、第一印象はまさに「スペクトル+テンション」。ナックルの出しやすさや初速の速さ、ストップやツッツキでの止まる球質など、表ソフトらしさを残しながら弾みがアップしている。

VICTASの表ソフトで近いタイプの『VO>103』と打ち比べてみたが、回転がかけやすく「すべるナックル」が特徴の『103』に対し、『S3』はミート打ちがしやすく、ナックルが止まる。表ソフトらしい表ソフトを求めるユーザーなら『S3』がオススメだ。

名前が横文字になると少々よそよそしさを感じるところだが、『スペクトル』はやはり『スペクトル』。名作はやはり名作だった。

 

台形+円柱の『スペクトル』の粒形状で、円柱部分の直径を0.1㎜小さくしている

 

 

 

VICTAS

SPECTOL S3

 

●スピード系テンション表ソフト

●¥4,950(税込) 

●厚さ:MAX・2.0・1.6㎜

●スポンジ硬度:37.5±3度

●㈱VICTAS

 Phone 03・5545・3933

 https://www.victas.com

 

 

photo >> Yoshinori Eto

text >> Taro Yanagisawa

<卓球王国2021年8月号より>