2023年の北海道インターハイ、学校対抗で準々決勝、準決勝で決勝点を挙げ、明豊高を初の準優勝に導いた高橋拓己。高校卒業後、24年4月に國學院大に進学した高橋は、今回の全日本に母校のある大分県から出場した。
男子シングルス2回戦からの登場となった高橋は、初戦でカット型の平塚(遊学館ジュニア)と対戦。「緊張した」と語ったが、元チームメイトであるカット型の木塚陽斗(専修大)との練習の日々を思い出し、伸び伸びとプレーしてカデットチャンピオン相手にストレートで勝利。続く3回戦では、「過去一度も勝ったことがない」という藤元(筑波大)から初勝利を挙げ、スーパーシードが登場する4回戦に進出した。
昨日行われた4回戦では、インカレで「完敗した」という伊藤(日本大)と対戦。昨年の全日本男子ダブルス王者相手に互角に渡り合い、4ゲーム目も大きくリードを奪ったが、1-4で惜敗。高橋は4回戦でシングルスでの戦いを終えた。
「もう少しできたかなというのが1番の感想。4ゲーム目に7-0から逆転されたのもそうですけど、3ゲーム目も9-9のレシーブでやることを迷った。中途半端になって、先に相手に攻められて苦しい展開になってしまった。やっぱり自分から攻める技術が大事かなと思った」(高橋)
敗戦への悔しさをにじませた一方で、「インカレの時は(伊藤選手に)2点、6点、4点で負けていた。ここまで競り合えるようになっているし、なんなら勝ってもおかしくない試合内容だった。自分的にはそう思うので、そこは成長していると実感してます」と手応えも口にした。
高橋の成長を支えているのは、卓球王国のサービス特集でもお馴染み“サービスマジシャン”・町田幸希さんの存在だ。「町田さんはサービス以外の技術でも、バックハンドを振る時の足の使い方やタイミングの取り方を教えてくれます。ぼくは高校時代、バックハンドを全く使わなくて、ド根性オールフォアでした。でも、バックもある程度できるようになったし、レシーブでもチキータを思い切ってできるようになった。そこは本当に町田さんのおかげです」(高橋)。
高校時代は生徒会長を務めるなど、真面目な性格で笑顔が爽やかな高橋。「大学に入って変わった部分はあるか」と聞くと、「髪を伸ばしたこと」と笑う。そして「練習時間が明豊の時より短くなるので、そこは工夫してやっています。國學院は(関東学生リーグ)2部なので、そこで弱くなったと言われるのが嫌。『自分が引っ張る』という気持ちでずっと練習している」と、負けず嫌いな一面ものぞかせる。
また、私生活についても「授業はすべて午前中に入れていて、日によって練習できる時間は違いますが、時間がある時は自主練習する感じ。遊ぶことはないですね」とストイックに卓球に打ち込む日々を送る。
「できれば、そのまま(大学卒業後は)日本リーグに行き、プロまでいきたいと思っています。そこが今の自分の目標。そこに向かって、また頑張りたい」
卓球に対して真摯に向き合う高橋の姿勢は清々しく、早くも来年が楽しみになってきた。
●男子シングルス2回戦
高橋拓己(國學院大) 6、10、6 平塚健友(遊学館ジュニア)
●男子シングルス3回戦
高橋拓己(國學院大)6、7、-10、7 藤元駿(筑波大)
●男子シングルス4回戦
高橋拓己(國學院大) 10、−5、−9、−10、6 伊藤礼博(日本大)
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