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全日本卓球2025

高校3年・烏田東、快進撃の4回戦進出で2人の親子に恩返し

 今日行われた男子シングルス4回戦に、大学生を連破して勝ち上がった高校3年の烏田東(呉青山高)が登場。スーパーシードの松山祐季(クローバー歯科カスピッズ)に敗れて大会を去ることとなったが、1ゲームを奪い健闘を見せた。

●男子シングルス1回戦
烏田東(呉青山高) 4、6、5 藤田遼也(日本大)

●男子シングルス2回戦
烏田東 11、-4、6、-9、8 田中京太郎(専修大)

●男子シングルス3回戦
烏田東 8、8、7 舟山真弘(早稲田大)

●男子シングルス4回戦
烏田東 -4、-6、-7、13、-5 松山祐季(クローバー歯科カスピッズ)

 

 全日本男子シングルスには2年ぶりの出場となった烏田は藤田に勝利して初戦を突破すると、続く2回戦では専修大の実力者・田中と対戦。4月から専修大に進む予定の烏田にとっては先輩との対戦となったが、フルゲームで勝利して3回戦へ。パリパラリンピック日本代表で、今大会でも勝利をあげて注目を集めた舟山もストレートで破り、自身初の4回戦進出を果たした。

 高校1年で出場した男子シングルスでも3回戦まで勝ち進み、高いポテンシャルを感じさせた烏田だが、その後はなかなか成績を残せない時期もあった。しかし、高校生活の集大成とも言える最後の全日本で自己最高成績を残し、手応えを口にした。

 「(4回戦進出は)自分の中では100点です。結果が出ない時期は精神面だったり、自分のプレースタイルで悩んでいたけど、それを乗り越えて、今回の全日本では最高の成績を残すことができました」(烏田)

得意のフォアにつなげる技術を強化してきたという烏田

 

 その烏田の成長を見守ってきたのが、木下明仁さんと裕介さん親子だ。明仁さんが広島・可部町卓球スポーツ少年団で烏田を中学生まで指導し、呉青山高では明仁さんの息子である裕介さんが監督として指導。今大会の結果は、小学生から高校生までサポートしてくれた木下親子への最大の恩返しとなっただろう。

 また、明仁さん、裕介さんともに烏田が進学予定の専修大OB。親子二代で育ててきた教え子が、この春から自分たちの母校の後輩となる。その期待も込めて、裕介さんは試合後に烏田をこう評した。

 「今回の結果については十分やってくれたと思います。ただ、(烏田)本人の中では100点かもしれないけど、私が100点と言ってしまうと、そこで終わってしまうので95点にしておきます。

 烏田のことは小さい頃から見ていますけど、たくましくなりましたね。もっともっと強くなる可能性を秘めていると思うので、ここからさらに成長してほしい。そこは我が母校、専修大で頑張ってくれると信じています」(裕介さん)

成績が伸び悩んだ時期も、烏田を見守ってきた木下裕介さん

 

 大学での目標については「専修大は層が厚いので、まずはレギュラーになってリーグ戦に出たい」と語った烏田。生まれ育った広島を離れ、春からは新たな環境での挑戦が始まるが、緑の名門でのさらなる活躍に期待したい。

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