卓球王国 2026年1月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
全日本卓球2026

父は宮城のレジェンドプレーヤー。初の兄弟同時出場、津田智貴・豊貴の全日本

 今大会も多くの兄弟、姉妹プレーヤーが出場している全日本。その中で、初めて兄弟揃っての出場を果たしたのが、宮城代表の津田智貴(アルプスアルパイン(株))・豊貴(張本仙台ジュニア)だ。

 兄の智貴は昨年の3月に古川学園高を卒業して社会人1年目。仕事をしながら練習を続け、今回、初めて男子シングルスの出場権を手にした。昨日行われた2回戦では元・日本リーガーの能戸大夢(南茅部卓球少年団)と対戦。1ゲームを奪うも1-3で敗れて全日本での勝利は叶わなかった。

 そして、今日行われたジュニア男子では、弟の豊貴が中学1年で初めて全日本の舞台に立った。1回戦の板橋悠真(土浦一高)との試合では1ゲームを先行し、ゲームカウント1-2で迎えた4ゲーム目もジュースに持ち込む粘りを見せたが、最後はあまくなったサービスを打ち抜かれ、全日本初出場での初勝利はならなかった。

 試合後に「ちょっと緊張してしまいました。チャンスはあったけど、自分のミスが多くて負けてしまった」と豊貴は語ったが、同学年の中では全国でも上位に勝ち上がる実力があるだけに、これからの成長に期待したい。

粘りのラリーとガッツが持ち味の兄・智貴

打球点の早い両ハンドでクールに戦う弟・豊貴

 

 そんな智貴・豊貴兄弟には、一番身近に全日本をよく知る人物がいる。それは、父の常徳さんだ。常徳さんは宮城のレジェンドプレーヤーとも呼べる人物で、46歳で予選を通過するなど、宮城代表として20回近く全日本に出場。全日本マスターズ男子サーティ準優勝(※当時は全日本社会人年代別)、全日本軟式優勝など、全国でも活躍してきた。カーブ、シュートと自由自在に左右へボールを曲げ、緩急や押し引きで相手を翻弄するプレーは、さながら「みちのくのワルドナー」。今回、息子2人のベンチに入った常徳さんに話を聞いてみた。

 「(自分が)最後に出場した2012年以来の全日本だったけど、やっぱり独特の雰囲気がありますね。2人とも、この雰囲気の中では短くサービスを出すつもりが長くなってしまったり、普段通りに『ボールを入れる』ということができなかった。

 私も何十回と出ていますが、全日本で勝つために大切なのは『当たり前のことを、いかに当たり前にできるか』だと思います。すごいプレーはいらないんですよ。今日の試合もそうだけど、1点をなめてしまうと、それが負けにつながる。2人にはこれまでも口では言ってきましたが、まだあまく見ていると感じるし、身をもってその重さを体験できたと思う。良い経験になったかなと。これを生かしていってほしいですね」

 …編集部・浅野、同郷の身として宮城のレジェンドの言葉に「さすが」の重みを感じました。さらに常徳さんはこう続ける。

 「20回くらい全日本に出てきて、初戦はだいたい勝てました。なので、全種目合わせて20勝はしている思います。でも、その次がなかなか勝てなくて、ずっとその壁を越えられませんでしたね。全日本での1勝って、やっぱり重いんですよ」

2人のベンチに入った父の常徳さん

 そして、津田家の全日本は一旦幕を閉じたが、まだまだ楽しみなことがある。それは張本智和(トヨタ自動車)・美和(木下グループ)の活躍だ。津田家は智和・美和とも幼少期から交流を持ち、同じ練習場で腕を磨き、その活躍を応援してきた間柄。特に智貴にとって智和は3つ上でよく遊んでもらった兄のような存在で、2つ下の美和はよく練習もした妹のような存在だという。今大会の前にも智和・美和の両親から「頑張ってください」という連絡ももらったそうで、「なんとか1勝して応えたかったんだけどね」(常徳さん)と語ったが、智和・美和の兄妹同時Vを心待ちに、仙台からエールを送る。

関連する記事