男子シングルス⚫︎準々決勝
松島輝空(木下グループ) -11、10、12、11、6 吉村真晴(SCOグループ)
男子シングルス準々決勝に登場した32歳の吉村真晴。このラウンドに勝ち残った選手の中では、男女通じて最年長となった。対するは10歳以上年下で、前回王者の松島輝空。前回大会では6回戦で対戦した両者が、今大会でも再び顔を合わせた。
「前回はオールフォアで攻めたんですけど、揺さぶられてしまって。レシーブもうまくいかず、楽に負けてしまった」と吉村。今大会では試合運びを見直して臨んだ。松島の勢いと読みにくさを兼ね備えたサービスに対しては、厳しくコースを突いたレシーブでしっかり対応。バック対バックの速い展開でも押し込まれることはなく、随所で回り込みカウンターが鮮やかに決まる場面もあった。

1ゲーム目の8-10ビハインドで放った渾身の回り込みカウンターは見事だった
結果は前回と同じ1-4での敗戦となったが、5ゲーム中4ゲームがジュースと、若き王者を大いに苦しめた吉村真晴。「戦い方としては良かったけど、最後の最後で思い切ってフォアで打てなかったり、点数取りたい時に消極的になった部分が敗因のひとつ」と試合後は悔しさをにじませた。

吉村に何度もゲームポイントを握られた松島だが、粘り強く戦った
試合中には、吉村が背中を気にする様子も見られた。12月に背中を痛め、その影響が今大会まで尾を引いていたという。「本当はもっと暴れまくって打ち回りたかった。でも、無理すると最後まで戦えない気がした」と吉村。一方で、「痛みがなかったら」という仮定については「もっとフォアで動いちゃってたと思う。でも、そうしたら逆に松島にいなされてたかもしれないし……。まあ、卓球ってムズイっすよね」と、競技の奥深さをかみしめるように話した。
昨年大会の敗戦後は、囲み取材でもさっぱりとした表情を見せていた吉村だが、今大会ではその表情に確かな悔しさがにじんでいた。それでも「大勢のお客さんの前でプレーできたし、すごく楽しく全日本を終えることができた」と充実感ものぞかせる。囲み取材を終えると、「やった! やっと全日本終わった! うれしい」と声を上げ、足早に会場を後にした。
まずはゆっくりと体を休め、また来年。再びこの男が全日本の舞台で暴れる姿を見られる日が待ち遠しい。
ツイート