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全日本卓球2026

学園長はあの「岡ちゃん」。新鋭・FCI明徳高から初の全日本出場、田中沙和がジュニアで記念の1勝

 昨日からスタートしたジュニアの部。その中で、愛媛・FCI明徳高1年の田中沙和が同校から初めて全日本への出場を果たした。

 FCI明徳高の正式名称は「FC今治高等学校明徳校」。1906年に今治技芸女子学校として開校し、その後、今治実科高等女学校、今治明徳高等女学校と名前を変え、1981年には男子部を開設。そして2020年に母体の学校法人 今治明徳学園がサッカーJリーグに加盟するFC今治と連携協定を締結し、2024年から現在の校名に改称。実に斬新な「プロサッカーチーム名を冠した学校」となっている。

 卓球部はFCI明徳となった2024年度から本格的に活動をスタートさせ、1年目で矢野礼人が高校選抜男子シングルスに出場して準優勝。2年目となった今年度はインターハイ愛媛県予選学校対抗で男子が3位、女子は準優勝。学校対抗での出場は逃したが、シングルスで男女1名ずつ、ダブルスでも男女1ペアずつがインターハイ出場を果たした。

 そして迎えたFCI明徳高としての初めての全日本。1回戦を「空気感がすごくて緊張した。(プレーの出来は)60点くらい」と振り返った田中だが、競り合いを制して田中美優(鎮西学院高)に3-1で勝利。続く2回戦で髙橋青葉(木下アカデミー)に敗れたが、全日本で初勝利をあげ、チームに新たな歴史を刻んだ。

●ジュニア女子1回戦
田中沙和(FCI明徳高) -8、8、10、5 田中美優(鎮西学院高)

●ジュニア女子2回戦
田中沙和 -7、-4、-5 髙橋青葉(木下アカデミー)

全日本初出場で初勝利をあげた田中

 

 田中のベンチに入り、アドバイスを送ったのは3年生の矢野。高校選抜男子シングルスとインターハイ男子ダブルスに出場するなど、チームを引っ張ってきた存在である彼にチームのことを聞いてみた。

 「中学から卓球を始めた部員がほとんどなので、最初はあまりレベルも高くないけど、入学してからみんなで一生懸命に努力するチームです。愛媛県で優勝して全日本やインターハイに出て、そこでひとつでも多く勝つことが目標。顧問の先生をはじめ、学校の先生方にも応援してもらいながら活動することができています」

 練習は週に6回で、平日は16時から20時まで練習で、木曜日は補食を挟んで16時から22時まで練習。男女に関係なくボールを打ち合う。クラブチームとの練習や、強豪の実業団、大学の練習に参加させてもらうこともあるという。矢野によると「上級生・下級生の上下関係はあまりなく、全員で切磋琢磨しながら、明るく高め合っていくチーム」とのことで、インスタグラムでも活動を発信している。確かにベンチやミックスゾーンでのやりとりを見ていても、仲の良さが感じられる。愛媛から新しい風を吹かせてくれそうな、おもしろくなりそうなチームだ。

ベンチで田中をサポートした矢野。高校選抜シングルスでは優勝にあと一歩まで迫った

 

 余談になるのだが、FC今治高等学校といえば、連想するのは「岡ちゃん」こと岡田武史である。サッカー日本代表が初めてW杯に出場した1998年フランス大会で監督として指揮を執り、2010年大会でも監督としてチームをベスト16に導いた。2014年からはFC今治のオーナーとなり、現在はFCI明徳の運営母体である今治明徳学園の学園長も務めている。

 岡田が初めて日本代表監督としてW杯に臨んだ1998年には当然、高校3年の矢野も、高校1年の田中も生まれていない。監督として2度目のW杯となった2010年だって、2人ともまだ物心つく前の時期だろう。そんなことも承知で「岡ちゃん、知ってる?」と聞いてみると、田中は「…知らないです」とのこと。一方、矢野は「卓球部が創部したばかりの頃に、(岡田学園長が)激励に来てくださいました。期待に応えられるよう頑張りたいです」と直々にエールをもらったことがあるという。ぜひとも、岡田学園長に「FC今治高等学校に卓球部あり」と思わせる、さらなる活躍を見せてほしい。

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