ジュニア男子で決勝進出を果たし、準優勝に輝いた中城瑛貴は、決して順風満帆な道を歩んできたわけではない。2022年の全日本カデット14歳以下で準優勝し、中学3年時には「ずっと入りたかった」という野田学園に編入。しかし、その後は怪我と不調に苦しみ、心身ともに追い込まれる時期を経験した。
「野田学園に入って何ヶ月後か覚えていないですけど、サーブを出す時に左手が真っすぐ伸びなくて。さすがに大丈夫だろうと思っていたら尺骨神経麻痺。自分自身も苦しんだし、両親にも『なんで気づいてあげられなかったのか』って思わせてしまった」(中城)
症状悪化を防ぐため、中学3年の全日本後に左手を手術。高校に進学して最初の県大会では他校の選手に敗戦を喫した。「高1は本当に終わってた。言い方はあれですけど、卓球への取り組みもあまり良くなかった」。
転機となったのは高校1年時のインターハイ予選。敗戦後、先生から強い言葉をかけられた。「本当はもっとできるはずなのに、なんでやらないんだ」。その一言が中城を奮い立たせた。
「身長もパワーもあるけど、勝てないのは自分自身が足りないんじゃないかって。自分にあまい考えとか、そういうのを少しずつ取り除いていって今回臨みました」
そして迎えた今大会。初日の一般シングルスでは2回戦でカットマンの吉田俊暢(関西卓球アカデミー)に完敗。一方、翌日から始まったジュニアでは2・3・4回戦を快勝し、迎えた5回戦ではカットマンの岡田蒼空(成立学園中)と対戦。「正直、いいイメージは湧かなかった」と語るが、それでもフルゲームの接戦を制してベスト8に進出した。

両ハンドのキレも鋭かった中城
準々決勝では野田学園の後輩・岩井田駿斗と対戦。「今、野田学園は島田、中野、岩井田の3人がすごく強いと言われている。でも、自分がキャプテンの立場になるので、そこに任せきりにはできないと思っていました」。その思いを結果で示し、3-0の完勝を収めた。
準決勝は、左腕・吉田蒼(新潟産大附高)と対戦。フルゲームにもつれたが、最終ゲーム中盤で引き離し、決勝進出。決勝ではインターハイ王者で昨年の世界ユースU19を制した川上流星(星槎国際高横浜)から2ゲームを先取したものの、後半は出足で得点できず、逆転を許した。「中2のカデット以来の決勝でしたが、日本一になる難しさを改めて感じました」と悔しさをにじませながらそう振り返った。
「今回良い結果が出たからといって、次も出るわけじゃない。次こそは日本一を取れるように、もっと頑張らないといけない」と中城。最後のジュニアで確かな手応えをつかんだ彼は、高校ラストイヤーで日本一を目指す。
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