本日16時より開会式が行われ、明日から競技がスタートするインターハイ卓球競技。長崎でのインハイ卓球競技開催は2003年以来21年ぶり。その際も今回と同じ大村市体育文化センターで試合が行われた。
卓球王国2024年9月号および卓球王国WEBのインハイ速報ページでは学校対抗出場校のベンチ入りメンバーを掲載しているが、出場校にアンケートをお願いする際、「学校対抗出場エピソード」を各校に任意で記載してもらっている。その中で岐阜代表・富田男子の近藤琢爾監督からは、長崎で開催される今回のインハイに向けて、下記のような思いを綴っていただいた。
富田男子卓球部は2002年に創部、インターハイの学校対抗には2003年に初出場しました。2003年大会は今回と同じ会場での長崎インターハイで、現在監督を務める私(近藤監督)も高校2年生で出場しておりました。その後、2008年に学校対抗出場を一度逃しましたが、2009年以降は連続で出場を続け、今大会は節目の20回目の出場となります。1期生である私が監督を務め、自分も出場した長崎インターハイで20回目の節目を迎えるというのは何か縁を感じます。
また、私たちは今年(2024年1月)の全日本選手権ジュニアの部への出場を創部以来初めて逃しました。何年かに1回は負けると言われてきましたが、今回のチームほど「負けるかも」と考えたことはありませんでした。しかし、昨年の新人戦でライバル校に勝ち切り、今年のインターハイ予選は初めて1-2でリードされましたが、最後はキャプテンの小山内(佑薫)がライバル校のルーキーを破って連続優勝を守り切り、この長崎インターハイへ出場することになりました。きっと何か不思議な力が長崎に引き寄せてくれたんだと思いました。
何度もあと1点に泣かされてきたインターハイ。恩師である吉田(國男)先生に届く活躍ができるよう頑張ります。(富田男子・近藤琢爾監督)
長崎で開催された前回の2003年大会で学校対抗初出場、そして21年後の今大会で通算20回目の学校対抗出場ということで、「長崎という地に縁を感じる」という近藤監督。そんな力も味方につけての活躍に期待したい。
21年ぶりの長崎県・大村市での開催ということで、ここではちょっと2003年大会を振り返っていきたい。学校対抗では男子・仙台育英と女子・武蔵野がともに初優勝。
男子優勝の仙台育英は当時6連覇中だった青森山田に決勝で勝利して初の栄冠。岸川聖也・小野竜也・水野裕哉・郝強という強力メンバーで頂点に立った。仙台育英は強化体制の変更により、2009年大会を最後に学校対抗出場には届いていない。しかし、今年の宮城県予選では準優勝に終わって学校対抗出場を逃したものの、シングルスで3名、ダブルスで2ペアがインハイに出場と奮起。こちらも何かの縁を感じさせる。
当時、仙台育英を率いていたのは現在は野田学園を指揮する橋津文彦監督。橋津監督にとっても長崎は縁起の良い土地だけに、仙台育英に続いて野田学園でも学校対抗で初の頂点に立ちたいところだ。また、男子学校対抗準優勝の青森山田の2年生だった坪口道和は故郷・長崎の鎮西学院の監督として、地元開催のインターハイに挑む。
女子優勝の武蔵野は準々決勝から決勝まで3試合続けて3-2で勝利という劇的な初V。女子学校対抗は1994年大会から2002年大会まで仙台育英と四天王寺の2強が優勝を分け合う状況が続いていたが、2003年大会では10年ぶりに2校以外が優勝に輝いた。今大会も昨年まで10連覇を続けていた四天王寺が大阪府予選で敗れて前回王者が不在の中での開催。12年ぶりに四天王寺以外の優勝校が生まれることとなる。2003年大会を制した武蔵野は今春の選抜でベスト8に進出し、準々決勝もメダルまであと一歩のところまで迫った。インハイ学校対抗では2008年大会以来表彰台には立てていないが、この夏はいかに。
男子シングルスでは1年生エースとして仙台育英を優勝に導いた岸川聖也がV。岸川は2・3年時もシングルスを制して日本選手初の3連覇を達成。そこから世界選手権で団体・個人合わせて7つのメダルを獲得し、ロンドン五輪シングルスベスト8など、世界トッププレーヤーへと成長していった。
女子シングルスでは留学生の劉一行(明秀日立)が優勝。留学生のシングルス優勝は2005年大会の曹嘉懿(青森山田)が最後。昨年3位の田旻一(桜丘)は今大会も優勝候補の1人だが、19年ぶりの留学生王者誕生なるか。
また、ダブルスでも男子は白神俊佑/唐康賀が名門・関西に初のインハイタイトルをもたらし、女子では森まりな/曹嘉懿(青森山田)の1年生ペアが戴冠。各種目ともフレッシュかつセンセーショナルなチャンピオンが誕生した2003年の長崎インターハイ、21年後の今大会も印象に残る大会となることを期待したい。
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