ｰｰ第5戦の昭和電工マテリアルズ戦でも、永尾さんが右シェークフォア表の奥下（茜）さんに惜敗しながら、出雲さんが石川（佳純）さんから金星を挙げ、1ｰ1で乗り切りました。
永尾 奥下さんとは初めてやったんですけど、自分があまりデータもなくて、「まずやってみてから」という感じで試合に入ってしまった。奥下さんは細かい技術がうまかったし、ゲームカウント1ｰ1の3ゲーム目に6ｰ3のリードから逆転されたのが悔やまれる点です。
ｰｰその隣で出雲さんが勝ってくれましたね。
永尾 正直、昭和電工さんとやる時は石川さんの1点は置いておいて、「3−1とか3−2で勝とう」と思っていた。自分が負けてしまったことで「ヤバいな」というのはあったんですけど、隣の出雲の試合のほうが先に勝って終わっていたので、ちょっと自分もビックリしたという感じですね。
ダブルスでは絶対に勝って、4番で終わらせたいと思いました。去年のファイナル4で、1回だけ私と松平がペアを組んで、昭和電工戦で平（真由香）／田口（瑛美子）ペアにゲームオールジュースで負けているんですよ。その時はぶっつけ本番に近い状態だったけど、今回はお互いに自信を持って戦えていました。
●女子1部・第5戦
〈サンリツ 3ｰ1 昭和電工マテリアルズ〉
永尾 ｰ4、7、ｰ8、ｰ7 奥下○
○出雲 6、7、8 石川
○松平／永尾 3、6 平／田口
○松平 7、9、ｰ7、ｰ9、11 牛嶋
ｰｰ第6戦の十六銀行戦で勝って優勝を決めましたが、初めてラストまでもつれる苦戦でした。
永尾 勝てば優勝だとみんなわかっている中で、隣のコートで中電（中国電力）と昭和電工が試合をしていた。もちろん自分たちが勝つのが大前提ですけど、隣の結果次第で優勝が決まるというのはあった（中国電力が敗れた場合は優勝が決定）。前半で出雲が山本（怜）さんに負けて、トップのわたしがしっかりとらないと後半はキツかったと思うので、そこで勝ち切れたのは良かったと思います。
●女子1部・第6戦
〈サンリツ 3ｰ2 十六銀行〉
○永尾 7、ｰ9、14、6 加藤
出雲 ｰ7、11、ｰ10、6、ｰ7 山本○
○松平／永尾 ｰ10、4、4 加藤／小島
松平 ｰ8、6、ｰ9、4、ｰ7 松本○
○塩見 5、5、6 竹本
十六銀行戦トップで勝利し、優勝を大きく手繰り寄せた
ｰｰまだ1試合残しているとはいえ、やはり優勝は格別だったと思います。
永尾 もうひと試合控えていたので、そこまでみんなも喜ぶというのはなかったですけど、私や松平は安心したというか……。今回、周りの方からも「このメンバーだったら優勝だね」とたくさん言われていましたから。でも、どこのチームも新戦力が入っているし、レベルも高い。優勝が有力視される中で、しっかり優勝できたのは本当に良かったなと思います。
ｰｰ最終戦の中国電力戦は2ｰ3で惜敗しましたが、文句なしの優勝。最優秀選手賞に選ばれたことを伝えられるのはどのタイミングなんですか？
永尾 表彰のその場にならないとわからないんですよ。最初は「誰だろう？」という話になって。他のチームメイトは出ていない試合もあったけど、私はシングルスもダブルスも全部出ていたので、出た試合の数と勝率で賞をいただけたのだと思います。
2017年後期以来の女子1部優勝を飾ったサンリツ
ｰｰ新生・サンリツの今後の目標は？
永尾 ファイナル4で優勝するというのがチームの目標ですね。今回優勝して、ファイナル4への切符を手に入れることはできました。全日本団体や後期リーグでもしっかり優勝を狙っていきたいと思います。
ｰｰ個人としての目標はどうですか？
永尾 今期はシングルス全勝を目指していたので、2敗してしまったのは悔しいですし、課題に取り組んで、次の大会に向けてしっかりやっていきたいですね。最近の卓球は速さ重視ですけど、その速さの中に私の武器であるパワーをもっと生かしていけたらいいなと思います。
ｰありがとうございました！
ながお・たかこ
1995年12月18日生まれ、神奈川県出身。横浜隼人高を卒業後、デンソーを経てサンリツに入社。2017年度全日本選手権女子シングルス3位、日本リーグ女子1部ではシングルス通算40勝を記録している。両ハンドから威力あるパワードライブを放つ左シェークドライブ型。
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