●女子シングルス決勝
張本美和(木下グループ) -7、2、9、6、-5、-10、6 早田ひな(日本生命)
第6ゲームは6-10と敗戦の縁に追い込まれながら、そこから6本を連取して大逆転で奪った。多くの観衆も「もしかしたら、早田が逆転するのでは」と、固唾を飲んで見守った第7ゲームだったが、出足で張本美和の猛攻を受けて大きく離され、反撃も及ばず終戦。ついに、3年間守り続けてきた全日本女王の座を明け渡すことになった早田ひな。
しかし、その粘り強い戦いぶりは、第一人者としての存在感を十二分に示す、見事なものだった。今回の敗戦を「世代交代」と呼ぶのは、早計というものだろう。以下、早田の会見でのコメント。
「今日の試合は1-4で負けていてもおかしくなかった。5・6ゲーム目を取り切って3-3に持っていけたところには、すごく自分の成長を感じました。でも、最後には相手の気持ち(の強さ)だったり、戦術の部分で『うまいな』という感じがあった。自分からもっと、思い切って強気な戦術をとっても良かったかな、という心残りはあります。
この場(決勝)で戦った感覚としては、『自分もまだまだ戦える』と思えました。もっとうまくいかないかな、と正直思っていました。そういった(張本選手のようなライバル的な)存在の選手がいるということは、自分にとってすごく大きなことだと思いますし、『私もまだ負けていられないな』『ついていく中で、自分自身のペースを作り上げていきたいな』という心境です。
(第6ゲームのばん回の場面は)もう自分自身のことしか考えていなくて、気づいたらばん回していました。正直、『ああ、もう終わっちゃうな』『ちょっとやりきれなかったな』と思いながらやっていたところもあった。でも、あそこから感覚が研ぎすまされたところもありました。ただ、せっかく3-3にできたのに、同じペースのまま(最終ゲームに)入ってしまったので、そこはちょっともったいなかったかなと感じています。
(張本選手は)これまで対戦してきた日本人選手とは比べ物にならないぐらいパワーがあり、一つひとつの技術の精度がすごく高くて、『できないことが本当にないな』と、試合をしていてすごく感じました。また、思いきりの良さも私たち(の世代)にはないものだと思います。そういったところは本当にすごいなって思います。
自分の方向性としては、優勝していてもしなくても、たぶん『向き』は変わらなかったかなと思うんですけど、逆に言うと、負けたからこそ、その印象がやっぱりすごく強く残ると思う。しっかりここから、より自分を高めていけるように練習していかなきゃいけないなと思います。
今回は、リスクを負ってでも、自分の『強くなりたい』というテーマに挑戦することに専念して頑張ってきました。準優勝はもちろん悔しいですけど、思ったよりうまくできたな、という感覚はあるので、前向きにまた頑張っていきたいです」

「令和の名勝負」とも言うべき、宿命のライバル・張本美和との全日本決勝。3度目の対戦で初黒星となった早田(奥)

張本との激闘を終え、会場のファンの声援に応えた早田。自らのパリ五輪後のキャリアを「シーズン2」と位置づける彼女の目標は、まだまだ先にある
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