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全日本卓球2026

元全日本監督・倉嶋洋介の眼「才能が開花し、自信がつき、誰も追いつけない松島輝空に」

〈男子シングルス〉●決勝
松島輝空(木下グループ) 8、4、4、10 篠塚大登(愛知工業大)


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ゲーム目の出足は、お互いがチキータから攻める展開となり、上回転系のラリーが中心となった。その中で篠塚はタイミングも合っており、高速ラリーでも安定感を見せていた。松島は相手のバック前にサービスを集めていたので、あえて篠塚に打たせていたのかもしれないが、途中からフォア前へのサービスも使い始め、下回転からのラリーを織り交ぜることで、篠塚に良い形でラリーに入らせないようにしていった。

甘いレシーブを逃さず攻めていく松島は、そこから早いタイミングでサービスを出していき、一気にペースを上げていった。また要所でサービスエースもあり、そうなると余裕が生まれ、レシーブも思い切ってできるし、ラリーでも肩の力が抜けて内容が良くなっていく。篠塚はそうなると、強く攻めていかないと相手にプレッシャーをかけられない状況になった。

篠塚は松島のフォアにボールを集めたが、松島も距離を取って打ち返していた。隙のない攻めである。そのフォア強打を避けてバックへ送ると、今度は一撃のバック強打で持っていかれる展開となった。そのリズムを篠塚としては崩したかったが、松島は最後まで変わらなかった。

リードされている場面や、展開が苦しいときでも、しっかり我慢し、自分の気持ちを保っている松島の姿が印象的だった。

今大会の松島は自信と経験を備えており、初戦から充実していた。今回は連覇を狙う立場で、プレッシャーのかかる中でも、初戦から自信を持って戦っていた。今持っている力を出し切っており、流れが悪いときでも自分を見失わない強さがあった。前回は追う立場、今回は追われる立場で、しっかり勝ち切った。

篠塚も、確実に勝ち上がっていく世界レベルの安定感と技術力を持っている。ただ、打ち抜く決定力、明確な武器が今後は必要になってくるだろう。

松島は世界チャンピオンになれる器である。今、才能が開花し、世界のトップに勝てる自信も身につけている。これからさらに強くなっていくだろう。誰も追いつけないような松島輝空になってほしい。(倉嶋)

わずか30分ほどで試合を終わらせた松島。衝撃的な完勝だった

 

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