グループリーグで4戦連続3-0勝利を収め、堂々たる強さを見せて決勝トーナメントに進出した日本女子。ドローの結果、1回戦でいきなりアジアのライバル・韓国との対戦となったが、いきなりの日韓戦にも動じず。各試合競り合ったものの、結果的に3-0で勝利して準々決勝へと駒を進めた。
●女子決勝トーナメント1回戦
〈日本 3-0 韓国〉
○伊藤 -5、7、9、8 金娜英
○木原 8、10、10 李ジオン
○長﨑 -6、9、6、8 尹孝賓
伝統ある強豪国であり、日本とも数々の名勝負を演じてきた韓国だが、今大会は日本とは対照的に苦戦が続く。長く代表でプレーしてきた徐孝元と梁夏銀、さらに東京五輪に出場した崔孝珠と申裕斌が代表から外れ、5人中3人が世界選手権団体戦初出場。その中で頼みの田志希もグループリーグ初戦での故障により欠場が続き、李ジオンが最多の7試合に出場するも4勝3敗、金河英、金娜英、尹孝賓も勝ち星が伸びず、ルクセンブルク、シンガポールに敗れてグループ3位。チームランキングによるラッキールーザーとして拾い上げられる形で決勝トーナメントに進んだ。
その韓国に対して、日本は早田ひなを起用せず、伊藤美誠と木原美悠を2点起用。3番にはグループリーグで好調ぶりを見せていた長﨑美柚をオーダーした。
1番で伊藤と対峙したのは17歳にして選考会を勝ち抜き、世界選手権初出場をつかんだ金娜英。出足から伊藤のサービスを強気で狙い打ち、金娜英が7-1までリード。ロングサービスを多用するなど積極的なプレーを続けた金娜英がまずは1ゲーム目を奪う。2ゲーム目もグイグイ向かってくる金娜英の前にイージーミスが目立った伊藤だが、7-7から表ソフトの変化でミスを誘って4本連取。苦しみながらもゲームカウントを1-1に戻した。
まだ本調子とはいかない伊藤のミスが続き、3ゲーム目もサービス・レシーブから積極的に攻めてくる金娜英に押される展開が続く。真っ向からでの打ち合いでは金娜英優位が続くが、ラリーの中での変化でミスを誘い、ここぞの場面ではきっちりと得点して何とか逆転で伊藤が奪取。ゲームカウントを2-1と逆転した伊藤、4ゲーム目は出足でリードを奪って試合を進める展開。金娜英のフォアサイドに突破口を見出し、中盤でリードを広げて逃げ切った伊藤、エースの意地を見せた。
2番は木原と今大会エース起用されている李ジオンの対戦。1ゲーム目、木原がサービス・レシーブで先手を封じてリードするも、調子が出てきた李ジオンがラリーで盛り返して8-8。だが最後まで冷静なプレーを見せた木原がまずはゲームを先行する。2ゲーム目も木原が小技で、李ジオンは連打で得点を奪い合う展開でジュースに突入したが最後は木原。競り合いながらも木原が2ゲームを連取して王手をかけた。
3ゲーム目も木原の攻撃のミス、レシーブで苦しむ場面もありジュースまでもつれたが、最後は10-10からサービスエース、ストップで李ジオンのミスを誘って勝負あり。点差の離れることの少ない試合だったが、要所をしっかり抑えた木原がストレートで勝利した。
前半で2点を奪って登場となった長﨑だが、1ゲーム目はバックのミスが続き、逆にバックドライブに冴えを見せた尹孝賓に。今大会4試合目の出場で初めてゲームを奪われた長﨑だが、2ゲーム目は随所でパワフルなフォアドライブを打ち込み、徐々にバックの安定感を取り戻して9点で奪い返す。
本来の調子が出てきた長﨑はサービス・レシーブで主導権を握って3ゲーム目も奪取。4ゲーム目も3-0と長﨑がリードしたが尹孝賓がタイムアウト後に追い上げる。だが、最後まで早い打球点で連打を続けて長﨑に軍配。チームのグループリーグから5戦連続となる3-0勝利を決めた。
いきなりの日韓戦となったが、競り合いながらも要所を抑えて韓国を完封した日本。韓国のパワーを伊藤と木原は変化で封じ、長﨑はそれを上回るパワーで跳ね返すなど強さを見せつけた。グループリーグの試合よりも苦しめられる場面は多かったが、充実ぶりをアピールする勝利となった。難敵と見られた韓国からの勝利で、ここからさらに勢いに乗っていけそうだ。
明日の準々決勝の相手は1回戦でフランスを破ったスロバキア。グループリーグに続いて今大会2度目の対戦となるが、クセ者のユエン・ジアナン擁するフランスよりは組みやすい相手だろう。
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