卓球王国 2024年11月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
世界卓球2022

木原&長﨑が世界戦デビュー。日本女子、スロバキアに3-0勝利で白星発進

 日本時間20時(現地時間19時)から日本女子が今大会の初戦となるグループリーグ第1戦・スロバキアとの試合に臨み、3-0で勝利。中国を倒しての世界一に向けて、快勝でスタートを切った。

 

●女子グループリーグ第1戦

〈日本 3-0 スロバキア〉

○木原 -9、8、6、6 バラゾバ

○伊藤 6、8、-4、10 ラボソバ

○長﨑 6、3、5 ククルコバ

 

 今大会は石川佳純、平野美宇が不在とはいえ、はっきり言って日本は中国以外のチームとは実力差がある。今大会の初戦となる今日の試合では、ツインエースの一角・早田ひなを温存し、伊藤美誠に木原美悠と長﨑美柚の2人を起用した。

 1番に起用された木原は相手エースのバラゾバと対戦。1ゲーム目は固さが感じられ、バラゾバの連打にも押され最初のゲームを奪われる。2ゲーム目もバラゾバの攻めに苦しみ、中盤までリードを許す苦しい展開だったが、サービス・レシーブでうまくミスを誘って逆転。ゲームカウントを1-1に戻すと、3ゲーム目も動きにも軽さが出てきた木原が奪取し勝利に王手。

 4ゲーム目はバラゾバを台から下げる展開が多くなり、連打のミスを誘って得点。バラゾバの集中力も切れてきたか9-3までリードを広げて勝負あり。最後は10-6からストップでバラゾバのミスを誘って得点し、木原が日本に先制点をもたらした。

緊張が感じられた木原だが、最後はきっちり勝ち切った

威力あるフォアドライブで木原のブロックを何度も打ち抜いたバラゾバ

 

 2番に出場した伊藤はラボソバに0-4とリードされるも、5本連取で逆転してゲームを先行する。2ゲーム目は調子も出てきたか、伊藤が両ハンドの速攻を突き刺して圧倒。しかし3ゲーム目はラボソバの好プレーが飛び出し、伊藤のミスも目立ち、ラボソバが奪い返す。4ゲーム目も9-10でラボソバにゲームカウントを握られるなど苦しんだが、最後は3本連取で逆転勝利。エース伊藤の白星で日本がグループリーグ初戦勝利に王手をかける。

まだまだ本調子とはいかない伊藤、ここからの仕上げに期待

 

 2-0となった場面で登場した長﨑は出足から積極的に攻めて6-0と一気にリードして1ゲーム目を奪う。2ゲーム目も勢いは止まらず、多彩なサービスから両サイドをワイドに攻めて得点を量産。3ゲーム目も連打で得点を重ねた長﨑、会心と言える試合運びでストレート勝ちを収め、3-0での開幕戦勝利を決めた。

完勝と言える内容で勝利を決めた長﨑

 

 団体・個人通じて初の世界選手権出場となった木原は「少し怖かった」とコメント。「コートに入った瞬間は緊張はなかったけど、なかなか自分のプレーができなくて緊張していってしまった」(木原)。それでも最後はきっちり得点パターンを見出して相手エースを破った木原、堂々の世界選手権デビューと言えるだろう。

 前回の2018年大会でも代表入りしていたものの、出場機会が1度もなかった長﨑。4年越しでの初出場となった世界選手権団体戦で完勝を収めた。「初めての世界選手権の舞台での試合で、すごく幸せな気持ち。日本のトップの選手と一緒に団体戦を戦えて幸せです」(長﨑)。

 日本は明日10月1日は試合がなく、10月2日にポーランドとグループリーグ第2戦を戦う。今日の試合で出場のなかった早田、佐藤瞳の起用も予想されるが、決勝トーナメントに向けてしっかり調子を上げていきたい。

初戦はベンチを温めた早田と佐藤。渡辺監督にとっても世界選手権団体戦初采配・初勝利となった

 

★現地取材★ 世界卓球2022特設ページはこちら

関連する記事