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世界卓球2022

日本男子、香港に3対1で勝ち3連勝。決勝トーナメント進出が確定する

2022世界選手権団体戦・成都大会は4日目を迎え、日本男子は予選グループの大一番となる香港との全勝(2勝0敗)対決。

前半を1対1の五分で迎えた3番で、及川瑞基が苦しみながらも最後に逆転して呉柏男をゲームオールで下すと、4番のエース対決で張本智和が黄鎮廷を圧倒し、日本は香港に3対1で勝利。3勝0敗として残り1試合を待たずに決勝トーナメント進出を確定させた。

 

男子団体予選グループ第3

〈日本 3‐1 香港〉

 戸上  -11、-4、-6  黄鎮廷○

○張本   5、7、4   林兆恒

○及川 -5、7、-7、5、10 呉柏男

○張本   4、9、3   黄鎮廷 

 

ここまで3勝と負けなしの戸上隼輔はトップで黄鎮廷と対戦。1ゲーム目は戸上の短いナックルが効いて点差が離れない展開になっていたが、サイドスピンが入った黄鎮廷のペン裏面のチキータとドライブに戸上はラケット角度が合わない。ジュースで落とす。

2ゲーム目になると黄鎮廷が台上を支配して先手を取る。戸上はなかなか攻めることができず、攻撃しても威力を抑えられているので黄鎮廷にカウンターを浴びる。3ゲーム目になっても戸上は得点ができる戦術が見つけられず、対照的に黄鎮廷は台上技術と裏面バックドライブと戦術が定まる。一方的な展開になり、黄鎮廷が戸上を下した。

「1ゲーム目のジュースを取れずに、そのまま気持ちを引きずってしまった。悔しいです」と試合後の戸上。

 

試合巧者ぶりを発揮した黄鎮廷

 

日本は負けが許されなくなった2番で張本が登場。東京五輪のシングルスで苦戦した林兆恒を相手にスタートから両ハンドドライブで押しまくる。昨日のルーマニア戦でO.イオネスクのドライブに苦戦を強いられたが、林兆恒のドライブには上から叩き込むように両ハンドカウンターを決める。アジア選手の「きれいな球筋」のほうが張本にとっては打ちやすいのだろう。

サービス、レシーブでも常に優位に立ち、相手の打球コースも読み切っていた。完璧な戦いで張本が奪い返す。

 

2番の試合は張本の強さだけで終わる

 

チームの勝敗に大きく左右する3番。田勢監督は昨日のルーマニア戦で敗れた及川を起用。及川はその期待に応えたいところだが、1、2戦目に続いて動きが硬い。相手の呉柏男にフルスイングをされ続ける苦しい展開が続き、必至に食らいついて最終ゲームまで持ち込むも、2-7と点差を大きく離される。

しかし、ここから及川らしい粘りを見せて8-10まで点差を詰めると、ここから強気のプレーを見せて2得点し、ジュースに追いついた。その勢いのまま12-10で勝ち、日本にとって大きな1点を叩き出した。

「昨日、不甲斐ない試合をしてしまって、チームは勝ったけれど自分は負けたので少し落ち込んでしまったけれど、試合は続くのでずっと落ち込んではいられない。
自分の良さは粘り強さとか泥臭さなので、それを忘れてはいけないし、最後の一本でそれが出たかなと思います。3試合やったので、場の雰囲気やコートの感じもわかってきた。だんだんリラックスしてきたので、次の試合も良いプレーができるかなと思っています。
ラバーはフォア09Cでバック05だったけど、今日の試合の1時間前くらいにフォアとバックを反転させて変えました。他にもスーツケースをバックパックに変えたり、いろいろ昨日とは変えて気持ちを新たにして臨みました」と試合後の及川。

及川は苦しい試合が続いてるが、これで2勝1敗にし、初出場としては十分な勝率をあげている。明日以降の試合では堂々と胸を張って、及川らしい粘りと賢いプレーを発揮してほしい。

 

及川は粘り強いプレーで勝利をもぎとった

 

高い攻撃力で及川をあと一歩まで追い詰めた呉柏男

 

4番のエース対決は張本対黄鎮廷。張本にとっては分のいい相手だが、世界選手権という舞台では過去の対戦成績は計算できない。

だが、張本にとっては幾度もの対戦によって相手のプレーがインプットできているのだろう。心に余裕のあるプレーで黄鎮廷を一方的に攻めまくる。横回転系のサービスで黄鎮廷のレシーブを崩し、黄鎮廷の裏面打法には回り込んでフォアドライブで狙い打つなど戦術もしっかりしていた。

2ゲーム目こそ終盤で追いつかれたが、最後はブツ切りの下回転サービスで黄鎮廷のレシーブをネットにかけさせて取ると、3ゲーム目は相手が途中で諦めるほどの強さを見せた。張本が快勝し、日本が香港を下した。

 

エースの仕事を完璧に行った張本。ただただ、強かった

 

張本は試合後にこう話した。「3番は試合が決まるくらい大事なポジションで、4番で圧倒的な試合ができたのは及川選手のおかげというのも半分くらいある。戸上選手が負けてもぼくと及川選手が勝ったり、その逆もあったり、みんなで3点取っていきたい。水谷さんがいた時のように2点+1点ではなく、全員で3点取って団体戦を戦っていきたい。
今日は100%に近いプレーができましたけど、同じプレーを求めるのではなく、毎日その日のベストの生活や調整をして、こういった思い切ったプレーをしていきたい」

 

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