大会2日目の10月1日、中国の建国記念日に当たる『国慶節』を迎えた成都大会。今日は日本チームは試合がなく、練習場で午前11時から練習を行った。
日本男子は最初の難関、イラン戦を乗り切ったことで、選手たちの表情は明るい。練習場全体に響き渡る声で、パワードライブを連発していた張本智和は、「昨日は緊張感はあまり感じなかったんですけど、終わってから結構体に疲労が来ていた。やっぱり緊張していたんだなと」と語ってくれた。やはり世界選手権という舞台は特別なのだ。
及川瑞基や戸上隼輔を相手に多球練習も行っていた田勢邦史監督に、昨日のイラン戦を終えた感触について語ってもらった。
「イラン戦は良いスタートを切ってくれたと思います。課題の初戦を3ー0で勝つことができたので、これからエンジンがかかってくるでしょう。トップで初出場の戸上が(ノシャド・)アラミヤンと当たって、非常に嫌な相手だと思っていたんですけど、あれだけ戦えたのは正直びっくりしています。戸上が良い流れを作ってくれた。
戦術としては、まずは左利きの相手のフォア前を攻める。フォア前のフリックや速いチキータがないので、フォア前を中心にしてバックへのロングサービスを混ぜていった。アラミヤンはフォア前もほとんどバックでレシーブするので、『ロングサービスが効くよ』とは言っていたし、戸上が長短の変化をうまくつけながら、サービスを組み立ててくれたと思います。
注意していたのはレシーブですけど、回転をしっかり見極めてレシーブして、難しいサービスは確実にツッツキからカウンターを待つという形ができていて、良い入り方をしてくれたなと思います。アラミヤンはもともとフォアドライブに不安があって、前は1本打つごとにグリップを触って確認したり、振れる時もあれば振れない時もある。昨日はあまりしっくり来ていなかったのかもしれない。
(張本)智和については、1試合目は相手が誰でもよくああいう競った展開になるので、1試合目は注意しないといけない。それでも最後はきっちり勝ち切ってくれた。オーダーについてはぼくがコイントスで負けてXYZになって、もしトスを勝っていたらABCを取って智和をトップに出すつもりでいました。
3番の及川は緊張していましたけど、やっぱり特別な舞台ですからね。智和もエースとして落とせないプレッシャーはあるし、シングルスとは違う重圧があるし、選手それぞれが何かしらのプレッシャーを感じている。その中でも及川はよく耐えて勝ってくれた。4番に回ったら智和が2試合やらなければいけなかったし、昨日3ー0で勝てたことは、このリーグ戦の中で非常に重要なポイントになるかもしれませんね」(田勢監督)
様々な面で通常の大会とは異なる成都大会だが、「世界選手権独特の緊張感はやはりある」と田勢監督は語る。「その中でどれだけベストを尽くせるかが大事。国内選考会で自分の手で出場権を勝ち取った選手たちですから、堂々と戦ってほしいですね。この舞台で試合ができることで、選手たちは得られるものが必ずあるはずです」(田勢監督)。明日のルーマニア戦でも、一戦一戦、一人ひとりがベストを尽くして戦うのみだ。
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