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世界卓球2022

日本男子、2戦目にしてピンチを迎える。チームを救った戸上隼輔の攻撃力と信頼感

日本男子にとっては想定外の接戦になったと言えようか。

昨日が中日になり、2日ぶりの試合になった日本。オーダーは初戦と同じ張本智和、戸上隼輔、及川瑞基の3人。対するルーマニアは、世界選手権男子ダブルス2位、ヨーロッパ選手権シングルス2位の実績を持つO.イオネスクをエースに、経験豊富なスッチ、そして17歳で今年7月のヨーロッパユース選手権で3冠王を手にしたE.イオネスク。なお、2人のイオネスクに血縁関係はない。

 

日本は張本、戸上が勝って20としたが、3番で及川が落とすと続く張本も完敗。ルーマニアに猛攻を浴びる。チームを救ったのは戸上。プレッシャーのかかるラストでも臆することなく、読みと動きの良さを見せて圧倒。3時間に及ぶ激戦を乗り切った。

 

男子団体予選グループ第2

〈日本 3‐2 ルーマニア〉

張本智和  579   E.イオネスク

戸上隼輔  10-79-1112 O.イオネスク

 及川瑞基  -6-5-9 スッチ○

 張本智和 -8-67-5 O.イオネスク○

戸上隼輔 83、4 E.イオネスク

 

トップの張本は出だしから両ハンドでE.イオネスクを攻め立てる。初戦で見えた硬さはなく、落ち着いたプレーで圧倒。見た目よりも回転量があるサービスでエースも連発、日本が先取点を上げる。

落ち着いたプレーで張本が先取点を上げる

 

戸上はO.イオネスクのフォア前のナックルサービスとバックへの速いナックルロングサービスで先手を許し、1ゲーム目に3-7とリードされる。ここから中陣での打ち合いで連続得点して7-7に追いつくと、12-10でゲームを先取する。

2ゲーム目は中盤までリードしたが、7-7から4失点でこのゲームを落とす。3ゲーム目は短いサービスをストップやツッツキではなくチキータを多くしてラリーで主導権を握り、11-9で奪う。最後もチキータレシーブでぶち抜いた。戸上はこのゲームを奪ったが、台から下げられてプレーしているのが気になる。

4ゲーム目になると戸上は台から下がらずに前でプレーし、10-6でゲームポイント。しかし、ここからジュースに追いつかれる。11-10と戸上はマッチポイントを手にしたが、痛恨のサービスミスで11-11になると11-13で落とす。嫌な流れになった。

最終ゲーム、戸上は6-2とリードするがO.イオネスクは諦めない。フォア前とバックへのロングサービスが再び効き出す。9-7から3連続失点で9-10とマッチポイントを奪われたが、攻めのプレーを止めない戸上が追いつき、最後は14-12で勝利。最後は強気のプレーとガッツが勝利を引き寄せた。

戸上は激しい打ち合いを制した

 

3番の及川は初戦の硬さが抜けず、自分のプレーができない。気持ちが乗れないため、攻撃したボールにも力が足らずにスッチにカウンターを浴びてしまう。終始表情が冴えない及川はストレートで敗れた。

及川をストレートで下したスッチ

 

4番のエース対決。日本はここで張本で決めたいところだ。しかし、試合は予想に反してO.イオネスクが両ハンドで攻め立てる。O.イオネスクは戸上戦と同じようにフォア前へのナックルサービスとバックへのナックルロングサービスを混ぜて、レシーブで張本の強打を封じた。威力のある両ハンドドライブをさけるために張本がストップでレシーブするとO.イオネスクはそれをフォアのナックルフリックで得点を重ねる。張本は3ゲーム目を奪ったが、逆転はならず。ルーマニアが2-2とした。

O.イオネスクが張本を下す金星

 

ラストの戸上は完璧な戦術で圧勝。E.イオネスクが多用するバック深くのロングサービスをバックハンドでレシーブすると相手に攻められるため、回り込んでフォアドライブでレシーブ。これに対応できないE.イオネスクはサービスで展開を作ることができない。

戸上は点差が離れても気を抜くことはなくストレート勝ち。世界選手権の団体戦はこれが初出場とは思えない、堂々としたプレーでチームのピンチを救った。

 

■戸上の試合後のコメント
「2番のイオネスク選手との試合では、4ゲーム目の10ー6から逆転されて頭が真っ白になってしまったけど、5ゲーム目は自分のペースで、戦術に自信を持って戦えたことがゲームオールジュースでの勝ちにつながったと思います。
今回のチームでは、張本選手がエースというのは自分の中に軸としてある。自分は2番手として相手のエースに勝って、張本選手や及川選手につなげていきたい」

 

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