●男子団体決勝
〈中国 3-0 ドイツ〉
◯樊振東 8、8、9 ドゥダ
◯馬龍 9、6、-9、1 チウ・ダン
◯王楚欽 7、8、4 シュトゥンパー
前回の2018年ハルムスタッド大会に続き、2大会連続で中国とドイツの顔合わせとなった男子団体決勝。トップは樊振東対ドゥダ。
今大会、チウ・ダンとともに、ドイツを決勝まで押し上げたのはドゥダだ。中陣でのドライブのラリー戦が得意だが、相手は世界チャンピオンの樊振東。ラリー戦になってもチャンピオンには余裕がある。
1ゲーム目を8本で樊振東が先取し、2ゲーム目、8−4から8−6になった時に中国がタイムアウト、相変わらず早めのタイムアウトだ。石橋を叩いている。結局、このゲームも8本で連取。樊振東は昨日の張本戦よりも余力がある。
3ゲーム目、9−7とリードしてゲーム奪取のチャンスを得たドゥダだが、樊振東が前陣で攻めていく。最後は大きくバックに回り込み、ドゥダのバックをぶち抜いて4本連取とし、勝利を決めた。「決勝なのでもちろん闘志を出して戦った。会場の応援も勇気をくれた」(樊振東)。
2番は五輪2連覇のカリスマ、馬龍対欧州チャンピオンのチウ・ダン。ドイツ生まれのチウ・ダンが両親の祖国、中国で戦う。1ゲーム目はスタートから互角の戦いで、チウが1、2本リードし、馬龍が追いつくという展開。9−9から馬龍が連取し、1ゲーム目を奪った。
2ゲーム目3−0馬龍リードで、ドイツベンチのロスコフ監督がタイムアウト。中国に対して序盤が重要なのは承知している。前陣をキープし、裏面で攻め、5−5と追いついたチウ。しかし、馬龍は9−5と突き放し、11−6でゲームを連取した。
ラリーの7割は裏面のバックハンドを使うチウ。裏面ドライブは無理にカウンターしないで、ラリーでチウが打ちあぐんだボールを強打で攻める馬龍。3ゲーム目、中盤からチウのフォアドライブが決まり、10−7でゲームポイント。10−9からバック対バックで馬龍のミスを誘い、11−9でチウが取り返した。
4ゲーム目、馬龍のスタートダッシュ。いきなり強打を決め、4−0でリード。34歳の馬龍が1本ずつ声を出し、コートを駆ける。最後はフォアクロスにドライブを決め、11−1と欧州チャンピオンをねじ伏せた。
「チウは強い相手だった。ふたりとも調子は悪くなかった。要所で強く攻めたのが、相手に対するプレッシャーとなった。ぼくはまだ戦い続けるよ」(馬龍)。
3番は22歳の世界ランキング11位の王楚欽と、19歳で103位のシュトゥンパーの対戦。1ゲーム目から力が入るシュトゥンパーに対し、柔らかく対応する王楚欽が11−7でゲーム先取。
2ゲーム目は競り合いとなったが最後は11−8で王が振り切った。3ゲーム目で一気に優勝を決めたい王は出足から飛ばし4−0。攻撃のミスのない王は差を広げ、中国優勝へ近づいていく。7−1、9−3、10−4から最後はフォアドライブで決め、2001年大会から続く団体連覇を10に伸ばした。
「とてもハッピーだし、サポートしてくれた人とともに優勝を味わいたい。応援してくれた中国のファンとこんな状況で開催していただき、運営してくれた人に感謝したい。ありがとう」(王楚欽)。
また、主力のオフチャロフ、ボル、フランチスカが欠場したドイツは、今まで出場の機会に恵まれなかったチウ・ダン、ドゥダ、シュトゥンパーで接戦をものにして決勝まで進んだ。胸を張れる銀メダルだ。
決勝の中国は強かった。終わってみれば、王者中国を最も苦しめたのは準決勝の日本であり、今大会のベストマッチだった。
中国が地元で栄光の記録を保持したが、日本男子も成都に大きな爪痕を残した。
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