日本時間20時30分よりスタートした日本と中国による女子決勝。中国が3-0で日本の挑戦を跳ね返し、地元開催で5連覇を達成した。日本は1971年大会以来の優勝に届かず、4大会連続の準優勝に終わった。
●女子決勝
〈中国 3-0 日本〉
○陳夢 6、8、8 木原
○王曼昱 9、-9、10、5 伊藤
○孫穎莎 7、7、8 長﨑
中国は決勝トーナメント1回戦から準決勝までの3試合と同様に陳夢、王曼昱、孫穎莎の3人を並べた。対する日本は、ツインエースの一角・早田ひなが昨日のドイツ戦で腕を傷めたとのことで欠場。木原美悠と長﨑美柚の2人を起用するオーダーとなった。
陳夢vs.木原の1番は陳夢が冷静かつ的確なプレーで1ゲーム目を奪う。フォア前へのサービスで木原に先手を取らせず、機を見てのロングサービスも効果を発揮。ストレートへのコース取りをうまく使いながら得点していく。
2ゲーム目の出足は木原がラリー戦で得点して4-2とリード。しかし、陳夢がバックへのロングサービスを連発して7-4と逆転。木原も追い上げ8-8とするが、ここから2本のサービスで得点できず陳夢が2ゲーム目も奪って王手をかける。
3ゲーム目も木原が出足で6-3とリードしたが、ここから陳夢が圧巻のラリー能力を披露。木原が連打で台から下げても、陳夢はコート深くへしっかり回転をかけたドライブで対応。木原は打っても打っても打ち抜けず陳夢が7本連取で10-6とマッチポイントを握る。木原も追い上げたが、最後も長いラリーで陳夢が粘り勝ち、中国に先制点をもたらした。まさに「鉄壁」のラリーと巧みなサービスの配球で木原を封じた陳夢、五輪女王の貫禄を見せる勝利だった。
続く2番は伊藤vs.王曼昱。その1本目、伊藤がフォア前へのサービスをバックでフリックし、ノータッチでレシーブエース。その後も王曼昱に先手を取らせず、打点の早い連打で押していく。伊藤が9-7とリードするも、次第に動きのキレが出てきた王曼昱も回転量のあるドライブで盛り返し9-9。最後はきっちりと王曼昱が攻め切り、2番も中国がゲームを先行する。
2ゲーム目も両者互角の展開。伊藤がミート打ちの連打で左右に揺さぶれば、王曼昱も回転をかけた両ハンドドライブで盛り返す。点差が離れず9-9となり、次の1本を伊藤が奪ってゲームポイント。最後はバックへのロングサービスをフォアで狙い打って得点。伊藤が2ゲーム目を奪い返した。
2ゲーム目に引き続き、ミート打ちの連打で攻める伊藤と、それをドライブで跳ね返していく王曼昱。王曼昱が終盤までリードして試合が進んだが、伊藤が9-9に追いつき、次のボールがエッジをかすめてゲームポイント。しかし、王曼昱がジュースに追いつくと次のサービスを伊藤がレシーブミス。最後はバックを狙った伊藤のボールがコートを外れ、王曼昱がゲームポイントをしのいで勝利にあと1ゲームに迫った。
3ゲーム目を逆転で奪った王曼昱、4ゲーム目に入ると勢いは加速。レシーブからチキータで仕掛ける機会が多くなり、思い切りの良い強打を打ち込んでいく。ラリーでも伊藤の緩急やテンポにも対応し、逆に伊藤は思い切って強打したボールのミスが増え、王曼昱がマッチポイント。10-5から伊藤が回り込んで放ったスマッシュもバックストレートへ跳ね返し、王曼昱が日本のエースを撃破した。中盤までは互角に渡り合っていた伊藤、あと1本が奪えなかった3ゲーム目が悔やまれる。
優勝にあと1勝と迫った中国は孫穎莎が登場。長﨑を相手に気合の入った戦いぶりで、威力あるフォアドライブを連発。長﨑も終盤は好ラリーを展開したが、なかなか得点につながらず。孫穎莎に1ゲーム目を奪われる。
2ゲーム目に入ると長﨑が孫穎莎をバックに詰めて攻めを封じたり、サービスでチャンスを作って得点する場面も増える。しかし、「厳しくいかないと決まらない」という圧もあったか、決定打のミスが目立って孫穎莎がリードを広げ、このゲームも奪取。3ゲーム目もレシーブでは無理をせず、長﨑の攻めもどっしり構えて受け止める、横綱相撲を見せた孫穎莎。気迫を出しつつも冷静に得点を重ね、10-8でチャンピオンシップポイント。最後はサービスエースで得点を奪った孫穎莎が中国の5連覇を決めた。
中国はグループリーグから決勝まで8試合を戦い失点ゼロの完全優勝を達成。全24マッチを戦い、落としたゲームはわずか2という圧巻の戦いぶり、そして強さを見せた。
中国と同じく決勝まで無失点で勝ち上がった日本だったが、今回も中国の壁を超えられず。伊藤が好ゲームを展開したが最後は突き放され、木原と長﨑は本気の中国の強さを痛感させられた。世界2位の力を見せつけると同時に、最後は世界1位の力を見せつけられた大会となった。
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