日本男子はグループ3の最終戦でハンガリーに3対1で勝ち、4戦全勝で1位通過を決めた。
この試合のメンバーには張本智和、戸上隼輔に続いて、ここまで出場していなかった横谷晟が起用された。
●男子団体予選グループ第4戦
〈日本 3‐1 ハンガリー〉
○張本 -8、5、6、5 スディ
○戸上 10、8、3 ラカトシュ
横谷 -7、8、-7、4、-7 エチェキ○
○張本 7、5、4 ラカトシュ
トップの張本は、ヨーロッパ選手にしては珍しく、クセのないスイングとボールのスディに1ゲーム目を落としたが、2ゲーム目からは無理をせずに相手のプレーに慣れるように戦う。すぐに慣れるとそこからは一方的に攻めて3ゲームを連取。ゲームを落としても焦らずに落ち着いていた。
2番の戸上は、長身で柔らかい両ハンドドライブを操るラカトシュに対して、1ゲーム目からスタートダッシュをかける。スコアを9-5、10-7とマッチポイントを握ったが、そこからジュースに追いつかれる。嫌な流れになりかけたがこのゲームを奪うと、そのまま試合を決めた。戸上は昨日の香港戦での敗戦は引きずっていない。
日本チームにとって頼もしい存在の戸上。決勝トーナメントでの戦いを早く見たい
世界選手権に初出場、そして今大会初めての出番になった横谷。緊張するなという言葉が酷になってしまうが、横谷の表情は硬い。ましてや相手が左利きの選手ということで、やりにくさもある。また、横谷の初戦に対して、エチェキはここまで試合を重ねているなど、ハンデもあった。
横谷は1ゲーム目の出だしは得意のチキータやバックドライブを打って良かったのだが、中盤で追いつかれるとプレーがやや消極的になりゲームを落とす。相手にゲームを先行されながらも必死のプレーで最終ゲームまで持ち込んだが、スタートで離されてしまった。
相手のエチェキは横谷のチキータを封じるためにロングサービスを混ぜたのに対し、横谷はショートサービス一辺倒になってしまい、台上のうまいエチェキを崩すことができなかった。
世界の舞台を肌で感じた横谷。チキータができている時は得点に結びついていた
「昨日及川さんが厳しい試合を乗り越えてくれて、そのうえで今日は自分を使ってもらったので、感謝の気持ちを持って今日は絶対勝ちたいと思っていた。最後まであきらめずに戦いましたが、正直悔しいです。
コートに立ったら手が震えるかなと思っていたし、コーチの方々から「1本目にサービスミスするなよ」と言われていたのに(サービスミスを)やってしまったんですけど、1ゲーム目の前半は良かったし、楽しくプレーできた。台上でもっと多彩なプレーができれば良かったし、レシーブでもっと積極的にいけていたら良かった。ベンチでずっと応援しながら、いつでも試合に出られるよう準備はしていました」と試合後にコメント。横谷にはこの敗戦の経験から飛躍への手ががかりをつかんでほしい。
4番の張本は完璧なプレーでラカトシュを撃破。フォア前のサービスをストップとチキータを織り交ぜて相手に的を絞らせず、ラリー戦になる前に威力のある両ハンドドライブで試合を決めた。あまりの強さにラカトシュは2ゲーム目以降は諦めていた。
エースの張本が試合を決めた
以下は田勢監督の試合後のコメント
「4番目にイラン、5番目にハンガリーという強いチームが入ってきたので、非常に厳しいグループではあったと思います。今日対戦したハンガリーは5番目でも2勝1敗という成績だった。今日はしっかり勝たないと3者間での争いになる可能性があったので、しっかり勝つ必要があった。フルメンバーのハンガリーは気の抜けない相手でした。
大会前から、3人が初出場だということが言われていたけど、プレーを見ていても初出場という感じはしない。みんな楽しんでプレーしてくれているし、張本も自分の力を出し切って、チームを引っ張ってくれている。今日横谷を出場させたのは、自分でつかんだ代表権ですし、世界の舞台を感じてほしかった。ハンガリー戦で負けるリスクへの不安はありましたが、経験を積んでほしかったので3番で起用しました。
全勝で予選1位通過という目標はクリアできた。価値のある1位通過だと思うし、予選は100点でもいいと思います。ただ、決勝トーナメントに入ったら負けたら終わりだから、ギアを1段、2段上げていかなければいけない。ドローが終わったらしっかり準備したいと思います」
ツイート