●男子予選グループ2
〈インド 3ー1 ドイツ〉
○グナナセカラン ー11、ー4、8、4、9 デュダ
デサイ ー7、ー9、11、ー3 チウ・ダン
○タッカル 11、ー6、8、10 ワルサー
○グナナセカラン ー10、ー7、8、8、9 チウ・ダン
ドイツ、フランス、インドという強豪チームが集まった男子予選グループ2。インド対ドイツの一戦は、インドが3ー1で歴史的勝利!!
ボル、オフチャロフ、フランチスカという「東京五輪トリオ」を欠くとはいえ、ヨーロッパチャンピオンに輝いたばかりのチウ・ダン、左腕の実力者デュダを擁するドイツは有力なメダル候補。ビッグゲームでしばしば波乱を演出する「クセ者」インドとはいえ、やや分が悪いかと思われた。
しかし、ブロックとカウンターの名手、グナナセカランがドイツの前に立ちはだかる。1番でデュダ、4番でチウ・ダンに対し、ともにゲームカウント0ー2のビハインドから大逆転勝ち。
特に4番のグナナセカランとチウ・ダンの一戦は、シェークとペンの実力者による頭脳的なラリーが次々に展開され、さながら「卓球の教科書」。稀代の戦術マスター、邱建新氏を父に持つチウ・ダンが、強引にフォアで引き合うことなく、前陣でストレートを突くカウンターで得点すれば、グナナセカランは巧みな緩急からチウ・ダンのフォアサイドをカーブドライブで打ち抜く。
両選手の特徴は、現代卓球の「要所」であるフォア前を、多彩なフォアの台上技術でカバーできること。チウ・ダンはペンホルダーの特徴を活かし、金属音を放つフォアフリック、ラケットを縦に使う切れたツッツキとストップが得意。一方、グナナセカランは近年のシェークの選手では珍しく、フォアフリックが実にうまい。フォア前を強引にバックで回り込まずとも、多彩な技術で先手が取れる。
硬質なプラスチックボールの導入で、ボールの回転量やスピードが落ち、今や安易なチキータはカウンターの餌食(えじき)になってしまう。かつて「チキータの申し子」であったあの樊振東でさえ、フォア前をチキータで狙うプレーは非常に少なくなった。前陣でのラリーのみならず、台上でもフォア・バックの両方から多彩な技術が使えなければ勝負できない。
勝利を決め、編集部タローのカメラに笑顔でピースサインを送ったグナナセカラン。一方、チウ・ダンはベンチでひとり敗戦を噛みしめた。ドイツもこのままでは終わらないだろう。明日の現地時間13時から、ルブラン兄弟が大暴れしているフランスとの大一番が待っている。
ツイート