世界卓球選手権ロンドン大会の準決勝。日本男子は、絶対的エースの林昀儒を擁するチャイニーズタイペイを3-0のストレートで破り、中国の待つ決勝へと駒を進めた。 勝利を決めた直後のミックスゾーンで、岸川聖也監督はいつものように冷静に試合を振り返った。
■「エース対決」を制した張本智和の金星
「やはり1試合目の張本(智和)と林昀儒の試合がキーポイントでした。あそこでしっかり智和が勝てたことでチームに勢いがつきました。エース対決を制し、最高のスタートを切れたのが大きかったですね。 タイペイにとっては、林昀儒が2点取ることが勝利への絶対条件。今大会の彼らは一貫して、林昀儒で1番を取り、3番の郭(冠宏)で勝負をかけるというオーダーを組んできました。日本としては『林昀儒を倒せばチームが勝てる』という強い覚悟で準備してきましたが、まずは1番で智和が期待に応えてくれた。それが3-0という結果に繋がったのだと思います。 林昀儒のプレーは非常に特徴的で、慣れるまでに時間がかかります。第1ゲームを落としたのは想定内。それだけに、第2ゲーム以降が勝負でした。すべてのゲームが接戦でしたが、1-1で迎えた第3ゲームを競り勝てたことで、かなり優位に立てました」
■勢いに乗った松島、そして復活の戸上
続く2番の松島輝空は、立ち上がりから得意の強打が炸裂し、馮翊新に快勝した。
「輝空はオーダーが出た時点で相手が右利き(馮翊新)だと分かり、自信を持ってプレーしていました。サービスもかなり効いていましたね。1番で智和が勝ったことが、輝空のメンタルにも良い影響を与え、比較的楽な展開に持ち込めました」
3番では、準々決勝のドイツ戦で苦杯をなめた戸上隼輔が、その悔しさを晴らす闘志を見せた。「林昀儒二世」とも称される17歳の新星・郭冠宏を相手に、1ゲームも与えないストレート勝ちで決勝進出を決めた。
「戸上は『2-0だから集中しろ』『思い切っていけ』と言い過ぎると、逆に考えすぎてしまうタイプ。今日はあえて戦術面のアドバイスだけに留めました。結果として、本当に素晴らしい試合をしてくれました」
■57年ぶりの頂点へ、いざ中国戦
10年ぶりの決勝進出を決めたとはいえ、岸川監督に笑顔はなかった。彼が真に喜びを爆発させるのは、最強・中国を撃破した瞬間なのだろう。
「しっかり休んで気持ちを切り替えます。あと一試合ですから、選手・スタッフ全員で戦い抜きたい。今日は内容も雰囲気も非常に良く、最高の形で明日に繋がりました」
日本男子が狙うのは、1969年ミュンヘン大会以来、57年ぶりの優勝だ。
かつて1950~60年代に黄金時代を築き7度の優勝を誇る日本だが、団体戦の決勝で中国に勝ったことは一度もない。悲願の金メダルへ。「中国を倒しての優勝」という歴史的快挙に向け、現地時間の日曜日午後4時(日本時間・午後12時)、決戦の火蓋が切られる。
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