●女子シングルス1回戦
芝田沙季 7、4、3、8 パトカル(インド)
●男子シングルス1回戦
チウ・ダン(ドイツ) 6、9、1、−5、9 宇田幸矢
戸上隼輔 4、7、−11、8、7 ポランスキー(チェコ)
男女シングルス1回戦、日本勢の先陣を切って登場したのは芝田。対戦相手のパトカルは芝田のフォア前にバックサービスを集め、得意のバック対バックの展開に持ち込もうとする。中盤で回転量の多いバックサービスにレシーブミスも出た芝田だが、最後は思い切ってフォアフリックで狙って先手を取り、ストレートできっちり勝ち切った。
「試合に入る前はちょっと緊張していたんですけど、台に入ったら気持ちが落ち着いて、思った以上に良いプレーができた。もともと出足が良いほうではないですが、今日は出足から良いプレーができたと思います」と試合後の芝田。今大会のテーマを尋ねられ、「課題を見つけることが課題。今までやってきた練習の成果を試合で出して、また新しい課題が見つかればいいと思います」と前向きに語った。
一方、宇田はドイツの右ペンドライブ型、チウ・ダンに苦杯を喫した。アメリカに到着後、機能回復のためのトレーニング中に左肩を傷めた宇田。徐々に回復しているが、今の左肩の状態でどれだけ戦えるか、手探りで試合に入らざるを得なかった。「普段なら自信を持ってフォアハンドでブロックを打ち抜いていけるところが、今日はできなかったので、最後はバックで先手を取る戦い方に切り替えました。試合の前半は(どれだけ振れるか)『怖い』というのが先に出てしまって、どうやって試合を組み立てればいいか、途中でわからなくなった。中盤から少しずつ良い流れはつかんできていたんですけど、ちょっと遅かった」(宇田)。
フォアハンドを打ち合う大きなラリーを避け、チキータからカウンターを狙うパターンで粘っていった宇田。フォア前はチキータでのレシーブが多くなったが、チウ・ダンは宇田の戦術を見透かすように、チキータを裏面カウンターで宇田のバックサイドに送り、裏面の連打に結びつけて得点を重ねた。試合を振り返り、「ただただ、悔しい気持ちでいっぱいです」と語った宇田。残るダブルス2種目も厳しい戦いが待っているが、左肩の回復を期待したい。
続いて男子シングルス1回戦に登場したのは、宇田の明治大の同期である戸上。アメリカに着いてから時差調整に苦しみ、「4時にやっと寝て8時に起きる日もあった」というが、カミソリドライブのスイングスピードは健在だった。3ゲーム目に8−3のリードから逆転され、一瞬嫌なムードが漂ったものの、前陣での打球タイミングの早いツッツキとバックハンドをポランスキーのバックに集め、あまくなったボールはすかさずフォアのカウンターで打ち抜いた。自分から積極的に打っての得点と、相手のミスを誘っての得点のバランスも良く、世界選手権での初陣とは思えない落ち着いた試合運びを見せた。
「楽しくプレーできたというのが一番かなと思います。緊張感はあったんですけど、まずは楽しむことから始めようと思ってプレーに入った。それが良い結果につながったと思います。相手とは2勝1敗だと思いますけど、昔の試合なので、またイチからの対戦というつもりでやりました。
自分の一番良いプレーは、ロングのラリーになる前に球威で押して、相手をのけぞらせてとどめを刺す。そういうプレーができていたし、レシーブでも強気でガンガン攻められていたのは良かったと思います。中盤で1ゲームを落としてプレッシャーもあったんですけど、次のゲームは気にしないで頑張ってこいとベンチの岸川(聖也)コーチに言ってもらって、落ち着いて自分のプレーができたと思います」(戸上)
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