卓球王国 2021年11月20日 発売 vol.296
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世界卓球2021

まもなく開幕の世界選手権、男子シングルスの注目ポイント

 11月23日より、アメリカ・ヒューストンで行われる世界卓球選手権(個人戦)。東京五輪を終え、3年後のパリ五輪へ向けての大々的な幕開けとなるこの大会。コロナ禍ということもあり、例年より少数のスタッフでの渡航ですが、卓球王国WEBでは今回も現地より情報をお届けしてまいります。競技スタートに先駆け、開催される5種目の見どころを紹介。まずは男子シングルスから。

 男子シングルスは五輪2連覇&世界選手権3連覇中の馬龍が欠場。現役続行にあたり、長期的な競技計画のために出場を見送るとのことだが、誰が頂点に立っても、初の世界選手権優勝という状況で種目が行われる。また、世界ランキング3位の許シン(中国)、東京五輪銅メダリストのオフチャロフ(ドイツ)、世界ランキング13位の鄭栄植も今大会には不参加となっている。

 

 日本からは張本智和、丹羽孝希、宇田幸矢、森薗政崇、戸上隼輔の5選手がエントリー。中でも注目が集まるのは張本だろう。現在世界ランキング4位の張本は馬龍、許シンが欠場したことにより、今大会は第2シード。初のメダル獲得に期待がかかる。出発前の会見では「まず第一目標はベスト8に勝ち上がること」と語ったが、前回の2019年大会では安宰賢(韓国)、東京五輪ではヨルジッチ(スロベニア)とビッグゲームでは2大会続けて世界ランキング下位の選手に敗れた。まずはグイグイ向かってくるヨーロッパ勢やアジアの若手を相手に、受け身にならず、攻め勝っていきたい。メダルをかけて中国選手と対戦となれば、張本にも勝機はあると見る。

第2シードとなった張本。初のメダル獲得に期待

 

 今回が7度目の世界選手権シングルス出場となる丹羽は、前々回、前回大会と2大会続けてベスト8。前回大会では梁靖崑(中国)にフルゲームまで迫ったが、わずかに及ばなかった。苦しみながら出場権をつかみ、団体で銅メダルを獲得した東京五輪を終えて、これまでと少し違った、リラックスした状態で臨めるはず。世界が驚くような速攻をヒューストンで披露してほしい。選考合宿でのタフな連戦を勝ち抜いて代表をつかんだ森薗は「いい加減遠慮せず、自分のプレーができるよう精一杯やっていきたい」と抱負を述べた。シングルスには今回が2度目の出場となるが、磨いて来たサービス・レシーブを武器に存在感を見せたい。

2大会連続でベスト8に丹羽は準々決勝の壁を越えられるか

 

 パリ五輪の代表を狙う宇田、戸上はともに初の世界選手権出場。持ち前の爆発力でパリへロケットスタートを切りたいところだ。世界ランキング99位の戸上は序盤で上位シードと対戦する可能性も高いが、アジア選手権では3位とポテンシャルは高い。ジャイアントキリングを巻き起こしてほしい。

 

 海外勢を見ると、頂点への先頭集団にいるのはやはり中国。世界ランキング1位の樊振東は中国男子史上最年少で出場を果たした2013年大会から今回が4度目の出場だが、最高成績は2位。優勝にあと一歩まで迫った2017年大会、そして東京五輪の決勝で敗れた「天敵」の馬龍が欠場した今大会は何としてもタイトルを奪わなければならない大会だ。中国からは樊振東の他、林高遠、梁靖崑、王楚欽、周啓豪がエントリー。前回大会3位の梁靖崑は大会直前にスロベニアで行われたWTT2大会で連続優勝と好調。今回が初のシングルス出場の王楚欽もWTTノヴォ・ベスト大会では決勝に進んだ。エース候補と期待される存在だけに、今大会で一気に主役に躍り出る可能性もある。林高遠と周啓豪の2人はスロベニアでのWTTで海外選手に敗れるなど、やや不安が残る。特に24歳で初代表の周啓豪はコソロスキー(ベルギー)、ヨルジッチと2大会続けて欧州勢に敗戦。世界選手権ではさらなるプレッシャーとも戦わなければならないだろう。

天敵不在の今大会、樊振東は是が非でも優勝したいところ

 

 また、今大会ではパリ五輪へ向けて、若手の台頭にも期待したい。すでに世界トップランカーの林昀儒(タイペイ)には中国撃破、タイトル獲得も視野に入れているはず。東京五輪で張本を破ってベスト8のヨルジッチもさらなる飛躍を期す。上昇気流に乗るスウェーデンからはこの1、2年で成長著しいシェルベリ、そしてモーレゴードの2人に注目。19歳の趙大成(韓国)は今回が初の世界戦となるがセンスを感じる柔らかなボールさばきで、前回の安宰賢に続いてブレイクなるか。地元アメリカのジャーはドイツ・ブンデスリーガで10勝2敗と好調。スポーツ大国・アメリカで「卓球」をアピールしたい。

ドイツで急成長を見せるシェルベリ

ジャーは地元を湧かせるプレーを見せたい

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