●男子シングルス4回戦
ボル(ドイツ) 不戦勝 ワン・ヤン(スロバキア)
カルデラノ(ブラジル) −8、6、3、11、2 ヨルジッチ(スロベニア)
林高遠(中国) 6、8、10、-7、7 黄鎮廷(香港)
梁靖崑(中国) 12、6、-9、6、−7、−3、4 ピッチフォード(イングランド)
ジャー(アメリカ) 8、8、−3、9、2 フィルス(ドイツ)
樊振東(中国) 5、7、−11、7、−8、6 王楚欽(中国)
アルナ(ナイジェリア) 9、−5、11、−5、−6、8、6 K.カールソン(スウェーデン)
モーレゴード(スウェーデン) −6、−13、−9、8、2、5、6 林鐘勲(韓国)
★明日の準々決勝の対戦カード
樊振東(中国) vs. 林高遠(中国)
梁靖崑(中国) vs. カルデラノ(ブラジル)
モーレゴード(スウェーデン) vs. アルナ(ナイジェリア)
ボル(ドイツ) vs. ジャー(アメリカ)
男子シングルス4回戦の結果、そして明日の準々決勝の組み合わせは上記のとおり。ベスト8入りを懸けた4回戦は熱戦の連続、そして中国勢以外から男子シングルスのメダリストが2名誕生することが決まった。
まず会場では、昨日ゴーズィ(フランス)を破ったスロバキアのカット型、ワン・ヤンが新型コロナウイルスの濃厚接触者になったということで、ボルが準々決勝に進出することが伝えられた。これまではボルが棄権するケースは何度もあったため、「またボルが(涙)?」と思いきや、今回はボルが不戦勝で勝ち上がった。
1台のみに絞られたサブアリーナを沸かせたのは、六角形の「サイバーシェイプ」ラケットを使って話題を集めているモーレゴード。韓国男子の最後の砦、左腕の林鐘勲に3ゲームを先取され、モーレゴードもベンチでタオルを叩きつけるなど大荒れだったのだが、ここから開き直った。強烈なカウンターのフォアスマッシュに、これまた一撃必殺のバックプッシュ、そしてバックのカット性ショートと、神がかり的な速攻プレーで一気に4ゲーム連取。勝利の瞬間、お決まりのポーズで会場を沸かせた。
梁靖崑とピッチフォードの一戦も熱戦だった。まるで練習のように、梁靖崑の正確な両ハンドドライブとピッチフォードのカウンターが台上を飛び交い、「加油! 梁靖崑!」と「ゴー、ゴー、リアム!」の声援が乱れ飛び、サブアリーナの熱気は最高潮。激しい引き合いも随所に展開された白熱の一戦を、梁靖崑が際どくかわして中国応援団の拍手をあおった。
メインアリーナでは、地元アメリカのジャーが、不利かと思われたカットのフィルスを頭脳的な緩急とコース取りで下し、16年リオ五輪ベスト8のアルナがスウェーデンの左腕K.カールソンに逆転勝利。歴史的勝利と言っていいだろう。明日の準々決勝では、モーレゴードとアルナ、ボルとジャーが対戦し、勝者がメダリストの称号を得る。過去の実績だけで、「今大会はレベルが低い」と言うのは簡単だが、彼らは勝者に値するプレーを見せている。ブラジルの若き英雄カルデラノも、接戦の連続を切り抜けてベスト8まで勝ち上がってきた。
第1シードの樊振東は、王楚欽との同士討ちで3ゲーム目を逆転で落とし、快勝ペースから接戦に持ち込まれたものの、終始落ち着いていた。「天敵」馬龍不在のこの大会、樊振東の目標はまさに「最低でも金、最高でも金」。その自覚ゆえか、両ハンド攻守のレベルは確実に東京五輪時よりアップしている。明日は2歳年上のライバル、林高遠の挑戦を受ける。
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