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世界卓球2021

【世界卓球】石川佳純、敗れるもヒューストンに残した軌跡

●女子シングルス準々決勝
陳夢(中国) 9、6、8、6 石川佳純

女子シングルス準々決勝で、石川佳純が陳夢、伊藤美誠が王芸迪という中国勢に敗れた日本。今大会、男女ともシングルスでのメダル獲得はならなかった。

石川は陳夢戦後のミックスゾーンで、開口一番「レシーブがうまくいかなくて、サービスからの展開も後手後手に回ってしまった」と語った。「相手のサービスも常に待ちと違うのを出された。やっと慣れてきたと思ったら長いサービスばかり来たり、ちょっと逆を突かれたり、本当にやりにくかった。レシーブがあまくなると一発の強打が来るプレッシャーもあって、レシーブミスがすごく多かった。良かったのは出足だけですね」(石川)。

中盤からロングサービスを多用した陳夢。常に相手に強打されるリスクがあるロングサービスは、守備力に自信がなければ使えないサービス。「不敗の女王」ならではの戦術だ。「陳夢選手のロングサービスはすごく速いんですよ。それに長く来るかどうかが読みにくいので、対応が難しい」と石川は語っている。

硬質なプラスチックボールが主流となり、ボールの回転量とスピードが少し低下する中、今大会の印象はハッキリ言って「ロングサービス、出した者勝ち」。全体的に見ても、その比率は明らかに上がっている。ショートサービスと同じスイングから、低くすべるようなナックル系のロングサービスをコート深くに出されると、台上のチキータやフリックも攻撃的にいくのは難しくなる。

石川も今大会は「自信を持って振っていきたい」と語ったバックハンドの威力と精度が増し、そこから仕掛けるフォアハンドのカウンターも冴えていた。単複ともベスト8で、女子複では平野美宇とペアを組み、王曼昱/孫穎莎をあと一歩まで追い詰めた。

陳夢戦については「美宇ちゃんが素晴らしい試合をしていたし、もうちょっと良い試合がしたかった」と語ったが、全力で駆け抜けた東京オリンピックという一大イベントの後、常に前向きに、レベルの高いプレーを見せてくれた彼女に拍手を贈りたい。

ミックスゾーンで陳夢戦を振り返った石川

五輪女王の壁厚く、女子シングルスベスト8で大会を終えた

バックハンドに確かな進境を見せていた

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