●混合ダブルス決勝
王楚欽/孫穎莎 2、5、8 張本智和/早田ひな
深夜の22時半過ぎにスタートした混合ダブルス決勝、張本/早田は中国の王楚欽/孫穎莎に敗れて銀メダル!
中国ペアは男子の王楚欽が、出足の1ゲーム目からエンジン全開。左利きならではのバッククロス・フォアストレートの強烈なフォアドライブとチキータを炸裂させ、5-0、7−1と一気にリード。張本/早田は1ゲーム目を2-11と一方的な展開で落とす。この強烈な先制パンチをもらい、張本/早田は最後まで局面を打開できずに試合が終わってしまった感があった。
張本/早田が決定打を狙ったボールでも王楚欽/孫穎莎は後陣に下がって盛り返し、逆襲。「これが本当にミックスのペアなのか?」とコートサイドで叫びたくなった。準決勝までの戦いぶりから、張本/早田がサービス・レシーブから攻め込んだボールでも、王楚欽/孫穎莎が両ハンドでしのぎ、逆襲に転じることは容易に予見できた。最初の攻撃でどこまで押し込めるかと思っていたが、一度引いた青波が再び打ち寄せるかのように、中国ペアは攻守一体のプレーで張本/早田の攻撃を跳ね返した。
シングルスと男子ダブルスですでに敗れている王楚欽にとって、この混合ダブルス決勝は名誉挽回の貴重な舞台だったはずだ。「2018年のユース五輪で対戦した時より、王楚欽選手は何倍も強くなっていた」と試合後の張本。恐るべき集中力を見せた王楚欽に引っ張られるように、孫穎莎もスーパープレーを連発した。
試合後の記者会見で、張本は「自分にとって初めてのメダルは本当にうれしいですし、ほっとしたという気持ちも大きい。早田選手が引っ張ってくれた結果ですし、本当にうれしく思います」とコメント。
中国ペアの強さについてたずねられたふたりは、張本が「レシーブが強くて、レシーブからドライブのようなボールが返ってくるし、100%の力で打っても何事もないかのように返してくる守備力の高さもある。」と王楚欽/孫穎莎の強さを語った。
一方、早田も「中国ペアは攻撃力プラス守備力が本当に高くて、私たちも何本も打ってやっと1本取れるという展開が多かった」と語ったが、「逆に私たちがもっと連続攻撃ができるようになれば、中国ペアにもっと競れるようになる」と今後への抱負を口にした。攻守のスケールの大きさを考えれば、張本/早田はまだまだペアとして大きな伸びしろを残している。
混合ダブルス決勝の記者会見が終わった時、すでに日付は変わろうとしていた。いよいよ明日は大会最終日、女子ダブルス決勝で伊藤美誠/早田ひなが孫穎莎/王曼昱に挑戦する。
ツイート