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世界卓球2021

【世界卓球】平野、惜敗も怒涛の連打で会場を沸かす! 石川、伊藤は準々決勝で中国勢と対戦へ

 ベスト8進出をかけて、4名がシングルス4回戦に挑んだ日本女子。その中で石川佳純、伊藤美誠の2人が勝利し準々決勝進出、早田ひな、平野美宇の2人は健闘も実らずこのラウンドで終戦となった。

 

●女子シングルス4回戦

石川佳純 6988 スッチ(ルーマニア)

伊藤美誠 9-98-81010 Su.サウェータブット(タイ)

王芸迪(中国) 46-136-185 早田ひな

陳夢(中国) 10-13-887-115 平野美宇

 

 最も早い登場となったのは石川。昨日の3回戦で好調なプレーを見せて田志希(韓国)を下したスッチにストレートで勝利を収めた。スッチに対しては過去6戦全勝も「やりやすい相手ではない」と語った石川だが、サービス・レシーブでスッチに主導権を与えず、ラリーでも厳しいコースを突いて得点。ガッツを前面に出して調子を上げていくスッチに、盛り上がる隙を与えずに押し切った。

 「4-0で勝ったのは初めてじゃないですかね。4ゲーム目に4-8から逆転できてよかったです。あそこを取られていたら、もっと競っていたかもしれない。しっかり振り切れていると思います、一本一本。一番は気持ちのコントロールですかね。浮き沈みせず、イライラせず、目の前の一本一本に集中して今日はできたと思います。今日もサービスはいつも効くんですけど、困ったら長いサービスをバンバン出していこうと思って、それで短いサービスも効いた感じがします」(石川)

 東京五輪という、競技人生の中での大きな節目を終えて迎えた今回の世界選手権。これまでとは少し違った心持ちで挑む大会になっているが、「やっぱりベスト8に入れてうれしい」とコメント。初の表彰台へ準々決勝では陳夢との対戦となる。

「困った時はロングサービスと思っていた」という石川。サービスの長短のコンビネーションも効果的だった

 

 石川に続いて4回戦に挑んだ伊藤は「本当に表ソフトの選手に強い」というSu.サウェータブットに苦戦。Su.サウェータブットは伊藤の多彩なサービスにもミスなく対応。随所でフリックなど強気のレシーブも決めて伊藤にペースを渡さない。バック対バックでも伊藤の表ソフトの球質の変化にもしっかりと対応し、積極的にフォアで回り込んで攻め込むなど、アグレッシブなプレーでゲームカウント2-2とする。

 伊藤はなんとか5ゲーム目をジュースで奪ったが、6ゲーム目も8-10とSu.サウェータブットにゲームポイントを握られ苦しい展開は続く。ここからジュースに追いつくと、11-10とマッチポイントを握り返した場面でSu.サウェータブットが痛恨のサービスミス。意外な幕切れで大苦戦を乗り切った伊藤、王芸迪メダルをかけて対戦する。

まさかのゲームセットに伊藤も一瞬困惑

素晴らしいプレーで伊藤に肉薄したSu.サウェータブット

 

 アジア女王として初の世界選手権シングルス出場でベスト16進出と力を見せてきた早田は、王芸迪からジュースの末に2ゲームを奪ったものの惜敗。先手を取って連打を打ち込む場面もあったが、王芸迪に厳しいコースへ跳ね返され、徐々に台から下げられる展開も多かった。中国の強さを感じさせれる試合となったが、その中で課題と手応えの両方があったと口にした。

 「初めて対戦する相手なので、1ゲーム目はサービスのコースや弾道などをつかみきれずに落としてしまった。ボールが低いので、しっかり打っているつもりでもラケットの下のほうにばかり当たるので、自分のボールも全然走ってなかったですね。11球の質が高いからこそ、自分が最後に勝ちきれなかったのかなと。それが課題として残った部分ですけど、自分が打った時や引き合いで伸ばした時は得点できたので、課題も収穫も両方ありました」(早田)

持ち味の攻撃力の高さは随所で見せた

王芸迪(手前)が高い実力を披露。明日は伊藤と対戦する

 

 そして最後に4回戦に挑んだ平野が、五輪女王の陳夢を相手に壮絶なラリー戦を展開。平野は序盤からスピーディーな両ハンドの連打にミスがなく、鉄壁の攻守を誇る陳夢と互角に渡り合う。1ゲーム目は10-8から逆転で陳夢に奪われたが、2ゲーム目を10-6からジュースに追いつかれながらも奪い返すと、3ゲーム目もなんとか逃げ切って2-1とリード。4、5ゲーム目は陳夢が意地を見せて奪い返して逆転するが、6ゲーム目には陳夢にマッチポイントを握られながらも、平野がしのいで最終ゲームに持ち込んだが、勝負はここまで。最終ゲームは「焦ってミスが出てしまうことが多かった」という平野に対して、不動のプレーを貫いて陳夢が押し切った。

 「1ゲーム目と4ゲーム目をリードしていて、どちらかで取れればゲームカウント3-1になっていたので、勝てていたのかなと思います。最近練習してきたことは出せた。方向性は間違っていないと思うので、それを自分でもっとできるように頑張っていきたい」(平野)

 最後は及ばなかったものの、何度跳ね返されても怒涛の連打を打ち込み続け、陳夢に何度も天を仰がせるなど、会心の当たりを見せた平野。試合が進むにつれて会場内から「ミウ、カモン!」「ミウ、レッツゴー!」という声援が飛び交うなど、「これぞ平野」というプレーで観客も魅了し、女王を本気にさせた素晴らしい一戦だった。

プレーだけでなく、気持ちでも攻めの姿勢を貫いた平野

接戦の中でも冷静かつ巧みに緩急、コースを使ってラリー戦を制した陳夢

勝利の瞬間、大きなアクションを見せた陳夢。平野が女王を本気にさせた

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