●女子シングルス3回戦
平野美宇 −10、5、7、−6、3、−8、7 バラゾバ(スロバキア)
●男子シングルス3回戦
王楚欽(中国) 7、10、5、4 戸上隼輔
男子シングルス3回戦、戸上隼輔は左腕の王楚欽に敗れてベスト32。これで日本男子のシングルスの戦いは終わりを告げた。
左利きのバックへ出す、バックストレートへのロングサービスからの展開がうまく、本誌の最新号企画「ザ・サウスポー」で森薗政崇が「左腕に強い選手」として名前を挙げている戸上。序盤はそのロングサービスが効いていたが、「王楚欽は(ロングサービスに対して)強打と入れにいくボールの使い分けがうまかった」と試合後の戸上。左腕攻略のカギとなる、距離の短いバックストレートの攻防で優位に立つことができなかった。10-9と先にゲームポイントを握った2ゲーム目を取りたかったが、ここを3点連取で逆転されると、中盤から王楚欽に余裕を持って打たれた。
「サウスポーとやる時は、ぼくのバックサイドからクロスに打ち抜く機会が増えるんですけど、王楚欽選手はそこをうまく狙ってきたり、さらに球質の高いボールで返してきた。やっぱり球の質が自分とは違うなというのを感じました。
2ゲーム目の10−9の場面でも、相手のボールが返ってくるのはわかっていたけど、予想以上にボールの質が高くて少し焦ってしまった。中国選手はどんな相手でも立ち向かってくる姿勢が伝わってくる。こちらが挑戦者なのに、それ以上に立ち向かってくるという点で中国選手は他の選手とは違う」(戸上)
ダブルスでペアを組む宇田とともに、3年後のパリ五輪を狙うホープである戸上。「これからパリ五輪までの3年は長いようで短いですけど、実際やってみて中国選手との差は、今の2倍、3倍努力しないと埋められないと感じました。悔しいし、絶望的かもしれないけど、これから2〜3年で中国選手とやる機会を増やしていきたいです」(戸上)。
一方、平野はバラゾバにゲームオールで勝利し、ベスト16進出。多彩なサービスを操り、長身から強烈な両ハンドのカウンターを打ち込むバラゾバは絶好調だったが、平野は最終ゲームの終盤で強気なチキータを連発し、挑戦を跳ね返した。「最後は思い切ってプレーすることができて良かったです。試合を通じてコースやタイミングを意識して戦ったんですけど、最後はもう思い切っていくことだけを意識して、強く打ちました」と試合後のコメント。「ヨーロッパ選手はアジアの選手とはリズムが違うし、ボールが少し曲がったりして、アジアの選手のきれいなボールとはちょっと違いますね」(平野)。
平野は明日の4回戦で東京五輪女王の陳夢(中国)に挑戦する。2017年のアジア選手権で勝利した一戦が思い浮かぶが、本人曰く「今は今」。「すごく強い選手なのでまずは向かっていきたいし、自分がどれだけやれるのか楽しみ」と前向きに語った。
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