日本選手団の帰国直後に行われた記者会見。全日本王者の松島輝空は「中国に勝てず準優勝に終わったことは、悔しい気持ちでいっぱいです」と、笑顔を見せず短いコメントの中に無念さをにじませた。
過去50年で「最強」とも目される今の日本男子。2年前の釜山大会以降、エースの張本智和は安定した力を発揮し、WTTシリーズでも活躍を続けてきた。若手の松島も著しい成長を遂げ、中国のエース・王楚欽とも互角の戦いを見せるまでになっていた。対する中国が、WTTで苦戦の目立つ梁靖崑や、世界舞台での経験が浅い林詩棟を擁する布陣であれば、日本のファンが「勝機あり」と期待を寄せるのも必然だった。
しかし、ドイツやチャイニーズタイペイを破り勢いに乗る日本を寄せ付けず、決勝で改めて底力を見せつけたのは、やはり王者・中国だった。
張本はその悔しさを、会見でこう表現している。
「準々決勝、準決勝に勝った瞬間はメダル獲得の喜びもありましたが、決勝を終えた今は、1番(第1試合)で勝っていた試合を落とした悔しさのほうが大きいです。決勝のトップで、最終ゲーム8-3から逆転負けを喫した。結局、最後にミスが出るのは技術の問題。メンタルも重要ですが、技術的な裏付けが足りなかったからこそ、最後に自信を持ちきれなかった」
また、全試合で3番に起用された戸上隼輔は、「最後まで自分のプレーを貫き通せた誇りはあります」と語る一方で、決勝での中国の戦いぶりを「緊張した場面での思い切りの良さ、戦術パターンの豊富さを痛感した」と振り返った。
女子が「日中二強」をドイツが追う構図であるのに対し、男子は若手の台頭が著しいフランスをはじめ、ベスト8以上の全チームがメダル候補という群雄割拠の時代に突入している。
世界ランキングトップ10に張本と松島が名を連ね、頂点へと肉薄する日本男子。中国の分厚い壁に阻まれながらも、挑み続ける彼らの胸中には、確かな「手応え」と、それ以上に重い「悔恨」が刻まれている。
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